愛媛大学法文学部 創立50周年記念誌
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113Ehime University Faculty of Law and Letters 50thくる人間」の育成を教育理念とされて、昭和48年の法文学専攻科の設置、56年の大学院法学研究科(修士課程)の設置、平成20年の総合政策学科3コースの充実、28年の1学科3コースからなる新教育の開始など、「知」を学ぶ体制の充実強化を図られて、現代の多様かつ複雑な事象に粘り強くしかも柔軟に立ち向かう知力と精神力を有し、地域や国際社会に貢献できる逞しく心優しい人材を育んでこられました。 こうした貴学部出身者は、伊予銀行におきましても本部・営業店の中核的な「人財」として、金融を通じた「潤いと活力ある地域の明日を創る」ため、お客さまへの感謝の心を原点に日々職務に精励して、大変心強く存じているところであります。 「地域あっての愛媛大学」「地域あっての伊予銀行」 志を一にする貴大学と当行は、平成18年2月に連携協定を締結いたしました。お互いが持つ情報や技術、ノウハウを活用して、地域の発展と産業の振興に寄与することを目的としたものであります。同年6月、連携協定締結記念セミナー「地域の発展に向けて~大学と銀行の連携の在り方~」を開催するとともに、28年1月には、「いよぎん愛媛大学発ベンチャー応援ファンド」を創設いたしました。当ファンドは、貴大学の知的財産を元に設立されたベンチャー企業を支援し、新しい技術を迅速かつ円滑に地域の産業界等へ移転することを目的としております。さらに同年4月から、「社会共創学(伊予銀行)寄附講座」を開講させていただきました。愛媛県の学術の中心である貴大学と地域金融機関である当行は、今後、一層連携を密にして、ふるさと愛媛の課題解決と活性化に取り組んでいきたいと存じます。 未来を担う人材の育成や、知的基盤の形成、イノベーションの創出など、地域社会は貴大学に大きな期待を寄せております。卒業生の地元への就職率アップはもとより、貴大学、貴学部と地域の更なる発展のために、以下、三点私の期待いたしますところを申し述べさせていただきます。 一つ目は、「グローバル化に対応した人材育成」(語学力向上の取り組みや海外留学・交流の拡大など)。二つ目は、「地域創生の核となる大学(Center of Community)機能の強化」(四国の文化や地域活性化等のカリキュラムの充実、産学連携の推進、地域課題解決の仕組みづくりなど)。三つ目は、「研究力強化によるイノベーションの創出」(南予水産研究センターや紙産業イノベーションセンターに加えて、統計学・金融工学・フィンテックの研究力強化など)。さらには、「世界有数の海事都市・今治」を持つ愛媛県ならではの造船や海運に関する学部学科の新設など、期待は高まるばかりであります。 この度、創立50周年の佳節を迎えられて、愛媛大学法文学部がグローバル人材を育む「知」の拠点として、さらなるご発展を遂げられますことを心からお祈りいたします。「いよぎん愛媛大学ベンチャー応援ファンド」創設の共同記者会見(平成28年1月)「社会共創学(伊予銀行)寄附講座」開設

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