愛媛大学法文学部 創立50周年記念誌
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第3部 法文学部の現在と未来 3大学法文学部長座談会136て学部全体としてはグローバル人材を育成するというところを目玉にして一体化を図ろうと思っているところです。そういったところがDP(ディプロマ・ポリシー)やCP(カリキュラム・ポリシー)*4 の背後にあるもので、完成年度*5 に向けてさらに学生教育をし、有為な人材を社会に送り出していくということが求められていると思います。 カリキュラム上では、学生全員に共通して履修させる「専門入門科目群」、コースに関わりなく応用的・実践的能力を高めるための「実践科目群」を設定して、学部教育の一体性を高めるとともに、各分野の専門教育による従来型の知的トレーニングもしっかり行える体制になったと思います。ちなみに教員組織は「社会科学講座」と「人文学講座」の2大講座制を採っています。 教育面での特徴は1学科3履修コースを採っていることだと思います。入学時はコースを決めず、1年次の終わりに希望を考慮して履修コースが決まります。目安の学生数は決めていますが、できるだけ希望を尊重することにしています。振り分けはまだ1回だけですが、全員第1志望に配属されました。 研究面では法文学部が全面的に協力して設置された全学センターの「地域創成研究センター」や、考古学教室を母体として設置された同じく全学センターの「東アジア古代鉄文化研究センター」、法文学部附属の「四国遍路・世界の巡礼研究センター」で特色のある先端的研究をしています。地域の特性とグローバル化改組後の展望など松本(司) いわゆる地方国立大学に置かれている学部として、地域の特性をどう捉え、どう活かそうとされているのか、またグローバル化と地域の問題をどう考え、組織としてどのように対応しておられるのか、あるいは今後の展望などをお伺いしたいと思います。田坂(島) 新しくできた学部との関係で、4年後に大学院の設置ということは既定路線として予定されているので、学部としてもそこまで行くと、3学科になったのは法人化*6 した時ですから、13年くらい経っているのでそろそろ見直してもいいよねということで、議論を始めているところです。これまでの改組では、学部長や学科長など責任のある立場の人が中心になっていましたが、今回のワーキング・グループでは10~20年後に中心になる30代後半~40代前半の教員がメンバーとして議論しています。 個人的にはミニ東大を改め、分野の増減員を伴う機能強化を提案しましたが、人文科学から社会科学まで広くカバーしているという現在の特長を活かした田坂学部長(左)・高津学部長

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