愛媛大学法文学部 創立50周年記念誌
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145Ehime University Faculty of Law and Letters 50th計し、問題が起これば、学部長が文部科学省まで謝りに行く覚悟をしています。松本(司) 愛媛大学の場合は、定年ではなく他大学に転出したことがありまして、1年だからすぐには補充できず、非常勤とかで凌いで、一応は文部科学省にお伺いを立てて謝って、「1年後には専任を補充しますから」という形で対処したことがあります。高津(鹿) 現実には、人件費逼ひっぱく迫の中で後任を採れません。広報戦略と学生募集松本(司) オブザーバーの先生方、直接伺える機会はないですから、この際にどうぞ。秋山(愛) 各大学の学生募集について伺えればと思います。高津(鹿) 鹿児島大学では受験産業の会社に依頼をしまして、大学の受験生の動向を調査していただき、鹿児島大学法文学部の特徴その他を数値的に分析してもらいました。地方大学でも同じような傾向が出ると思いますが、「県内の学生は地域の中で一番良い大学として選んでくれるが、他県の学生が減っているという傾向が顕著に表れている、他県の学生を受験生として迎え入れる努力をしておかないと、県内の学生だけだと、どんどん偏差値が下っていきます」と言われました。 他県の学生がどういう意図をもって鹿児島大学を選ばないのかということを聞き取りした時に出てきたのが、全国で就職するのに、「地域で就職できます」ということばかりを宣伝していると、「全国区ではないから行かない、それだったら関東の私立に行きます」という学生がいるので、広報する時は「全国でも就職している学生がいますよ」と県外にアピールした方がいいのではないですかということです。これは愛媛大学も島根大学も同じだと思います。松本(司) 東京の私立大学もその傾向が強くなっているらしいですね。慶応・早稲田は流石にそうでもないようですが、その他の大学だと、関東圏からしか学生が来なくて、関西からはあまり来ないと。田坂(島) 東大も同じ傾向がありますね。地方からはあまり行かないという傾向がありながらも、じゃあ地元に残ってくれるかといったら、意外に残ってくれない。高津(鹿) 受験生の動向を分析した時に、「キャッチフレーズだけで受験生を大幅に増やした大学もありますから、お考えになってはいかがですか」というふうに言われました(笑)。田坂(島) 島根大学では、ベネッセと入試センターの先生方がかなり情報をやり取りしているみたいですね。ベネッセの人が直接来られて研修会を開いたこともあります。 学部に関してはアドミッションセン吉田啓二島根大学法文学部事務長(左)・西信博鹿児島大学法文学部事務長

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