愛媛大学法文学部 創立50周年記念誌
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第3部 法文学部の現在と未来 3大学法文学部長座談会150社会的役割(ミッション)を整理しました(ミッションの再定義)。」(文部科学省Webサイトhttp://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/houjin/1341970.htmによる)とされている。*2 この平成27年6月8日付文部科学大臣通知の「第3 国立大学法人の組織及び業務全般の見直し」の「1 組織の見直し (1)「ミッションの再定義」を踏まえた組織の見直し」という項目において、「「ミッションの再定義」で明らかにされた各大学の強み・特色・社会的役割を踏まえた速やかな組織改革に努めることとする。(改行)特に教員養成系学部・大学院、人文社会科学系学部・大学院については、18歳人口の減少や人材需要、教育研究水準の確保、国立大学としての役割等を踏まえた組織見直し計画を策定し、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努めることとする。」(下線追加)という文言があった。*3 「ゼロ免課程」とは、教員養成系の教育学部において教員免許状の取得を卒業要件としない教育課程のこと。1987(昭和62)年に山梨大学と愛知教育大学に初めて設置され、その後多くの教育学部に設置された。特に「ミッションの再定義」および「平成27年6月8日付文部科学大臣通知」によって教員養成系教育学部が教員養成に特化することが求められたために、多くの国立大学がこの課程を廃止して、様々な組織改編に取り組んだ。*4 「DP(ディプロマ・ポリシー)」とは、「卒業認定・学位授与の方針」つまり「各大学,学部・学科等の教育理念に基づき、どのような力を身に付けた者に卒業を認定し、学位を授与するのかを定める基本的な方針であり、学生の学修成果の目標ともなるもの。」(「「卒業認定・学位授与の方針」(ディプロマ・ポリシー),「教育課程編成・実施の方針」(カリキュラム・ポリシー)及び「入学者受入れの方針」(アドミッション・ポリシー)の策定及び運用に関するガイドライン」中央教育審議会大学分科会大学教育部会、平成28年3月31日、3頁)であり、「CP(カリキュラム・ポリシー)」とは、「教育課程編成・実施の方針」つまり「ディプロマ・ポリシーの達成のために、どのような教育課程を編成し、どのような教育内容・方法を実施し、学修成果をどのように評価するのかを定める基本的な方針。」(同上)である。これに「AP(アドミッション・ポリシー)」(「入学者受入れの方針」)つまり「各大学、学部・学科等の教育理念、ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシーに基づく教育内容等を踏まえ、どのように入学者を受け入れるかを定める基本的な方針であり、受け入れる学生に求める学習成果(「学力の3要素」※についてどのような成果を求めるか)を示すもの。〔※学力の3要素:(1)知識・技能、(2)思考力・判断力・表現力等の能力、(3)主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度〕」(同上)を加えて、3つのポリシーと呼ばれ、各大学は3つのポリシーを定めて公表することとされている。*5 「完成年度」とは、大学や学部・学科等を新設・改組した場合に、その新しい教育課程に最初に入学した学生が定められた修業年限で卒業する年度(医・歯・薬・獣医以外の学部は4年目の年度)をいう。法文学部の場合は、新設・改組から4年を過ぎた5年目以降は「完成年度後」と言われる。*6 「法人化」とは、従来は政府(文部科学省)の一組織であった各国立大学を、独立した法人格を持つ国立大学法人として独立させ、国が直接各国立大学を設置するのではなく、それぞれの国立大学法人がそれぞれ国立大学を設置するという方式に変更したことを指す。この国立大学法人化は、2004(平成16)年4月1日に一斉に実施された。*7 「教員人件費ポイント制」とは、教授1人当たり○○ポイント、准教授1人当たり○○ポイント等々という形で、教授・准教授・講師・助教という教員の職位ごとにポイントを割り当て、各学部等に配置されている教員定員を基に、各学部等の教員人件費ポイント数を算出し、そのポイント数の枠内で各学部等の教員人事を行うという制度。国立大学法人化以前は、教授何人、助教授何人、助手何人削減という、教官定員削減というやり方が一般的であったが、法人化後は、教員定員という概念自体が曖昧になってきたこともあり、定員管理という考え方から人件費管理という考え方に変化したと考えられる。*8 「17大学人文系学部長会議」とは、主に1949(昭和24)年に新設された国立大学で人文系学部・学科を持つ17大学の学部長の会議。参加大学は、弘前大学、岩手大学、山形大学、福島大学、茨城大学、埼玉大学、富山大学、信州大学、静岡大学、三重大学、島根大学、山口大学、徳島大学、愛媛大学、高知大学、鹿児島大学、琉球大学。*9 「第3期」とは、国立大学法人の「第3期中期目標・中期計画期間」のこと。国立大学法人は、「国立大学法人法」第30条・第31条等に基づいて、6年間の中期目標期間内に、中期目標を実現する中期計画に従って業務を行うことになっている。第1期中期目標・中期計画期間は2004(平成16)年度から2009(平成21)年度まで、第3期は2016(平成28)年度から2021年度までの6年間である。ちなみに、国から配分される国立大学の運営費交付金は、第1期中期目標・中期計画期間当初から毎年度、対前年度比マイナス1%の割合で削減され続けている。*10 「グローカル・マインド」(glocal mind)とは、世界と自分が生きている地域とを有機的全体

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