愛媛大学法文学部 創立50周年記念誌
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41Ehime University Faculty of Law and Letters 50th Ⅰ.「地域」に特化した新学部構想とそれに伴う既存学部の改組  Ⅰ―A 地域の未来を地域ステークホルダーと共に創る実践的人材の育成   1.新学部構想の背景と趣旨   2.新学部構想の概略  Ⅰ―B 既存学部の組織改編について   1.法文学部を改組して設置する文化コミュニケーション学部(仮称)の概要   2.教育学部・教育学研究科の改組及び教職大学院の新設   3.農学部・農学研究科の改組 これが、役員会レベルで初めて正式に示された愛媛大学改革案であった。その文書では、「法文学部を改組して設置する文化コミュニケーション学部(平成28年度発足予定)においては、激動する現代社会をグローバルな視点から捉え、新たな文化・社会のあり方を構想し、その実現に寄与できる深い教養と高度なコミュニケーション能力を有する実践力のある人材を育成する」とされ、「人間文化学科」「社会文化学科」「グローバル・スタディ学科」の3学科を置くこととされていた。 この後の法文学部改組は、ここに示された方向に従って、特に文系教育のグローバル化を中心的コンセプトとして進められた。2013(平成25)年12月18日開催の役員会において、学長室の下に愛媛大学教育組織改革検討ワーキンググループを置き、そのなかに法文学部改編検討ワーキンググループを置くことが了承された。そして2014(平成26)年1月15日開催の教育研究評議会では、ワーキンググループの設置とメンバー(松本長彦理事・副学長(座長)、西村勝志教授、土屋由香教授、吉田正広教授、今泉志奈子准教授)が報告された。 法文学部改編検討ワーキンググループでは、ほぼ毎週の会議を通じて、総合政策学科教授会・人文学科教授会からの意見も聴取しながら、検討が進められた。2014(平成26)年3月に、学長以下が愛媛大学全体の教育改革案を携えて初めて文科省との交渉に臨むに当たって、法文学部の改組案は、学部名称を「文化コミュニケーション学部(仮称)」ではなく「社会文化学部(仮称)」とし、「人文社会諸科学の専門知を基盤とする、現代社会に新たな価値創造の扉を開く「総合的実践知」(即ち実践の場で適切な判断を下し行動することができる能力)を備えたグローバル人材の育成」を人材育成目標として、「公共政策学科」「人間文化学科」「グローバル・スタディーズ学科」の3学科を置く、とされた。 その後、各種アンケート結果や各種団体へのヒアリング結果、統計資料等、学部改組の必要性の根拠資料を作成しながら、ほぼ毎月文科省に赴いて意見交換が行われた。

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