愛媛大学法文学部 創立50周年記念誌
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59Ehime University Faculty of Law and Letters 50thいクリーム色のスーツでドキドキ「文部事務官」の辞令を受け,「国民の公僕になります!」と誓った日を懐かしく思い出します。そこで,私は沢山のいい出会いをしました。上司からは,「勉強しろ!」と,仕事に,スポーツ(先生方とテニス大会にも参加)に叱咤激励され,それが今日の私を支えているように思います。  理学部の庶務係に始まり,医,農学部,研究協力部,2004(平成16)年の法人化を挟み,国際交流センターの各部署で,主に総務系,国際交流系を担当し,国際交流センター,国際連携推進機構の立ち上げにも関わりました。その後,いずれも本学初の女性の広報室長,人事課長を経て,2014(平成26)年からこれも本学初の女性部長として,学生に一番近い部署で「学生中心の大学」の理念の基,教職協働で高等教育機関の原点である次代を担う若い世代の育成・輩出に関わり,その醍醐味を肌で感じることができました。広報室~人事課にかけて,明・暗様々な記者会見を担当するとともに,愛媛大学危機管理副室長として,危機管理の携帯電話を一時も離さず約6年間持ち続けたことは,現在「最長記録?」として,私のプチ自慢の一つですね。 1990年代から続く大学改革により激動する環境の中,職員能力開発は必須で,SPOD※1-SD※2コーディネーター(SDC※3),全国の教職員能力開発拠点※4SDCとして学内だけでなく全国の大学教職員の能力開発にも取り組むことができました。人事課長時「大学と職員が共に輝くため」の人材育成ツールとして「スタッフ・ポートフォリオ※5」を2013(平成25)年度全国初で全事務系職員へ導入した事も記憶に残ります。 また,愛媛県の男女共同参画の「ロールモデル」として認定され,働く女性達のヒントになれば幸いなことだと思っていました。 危機管理の現場を考えれば,現代の厳しい大学の現実がそこにあり,人材育成の現場を見れば,そこには,学生は勿論,教職員にとっても明るい未来が感じられ,大学本来の輝きに溢れています。どちらの現場も大学には存在することを実感し,その上で,やはり大学は,「学生にも,教職員にも,『共に輝くための場所』である! あるべきだ!」と確信しています。2017(平成29)年3月に定年退職を迎え,現在は「愛媛大学SD統括コーディネーター/能力開発室長」の職位をいただき,職員の育成・能力開発に取り組ませていただいています。 「男女共同参画※6」が行政の中に産み落とされ一緒に育ってきました。学生時代には,ジェンダーについて意識することもなく過ごし,社会人となり現実を目の当たりにしました。そして,入職当時には想像もできなかった今の自分に驚きながらも,この大学で,人にも仕事にも恵まれ,学生として,社会人として,法文学部は常に私の傍らにあり,いつも帰る場所がそこにあると思えたことは,幸せなことでした。また,延々と繋がっていく私の宝物である人脈! 人と繋がること,こんな楽しいことはないと思っています。 私の人生の4分の3,そして法文学部同窓会の5分の4の歴史を愛媛大学とともに歩んできています。 これから,いただいた宝物を抱きながら,またHISTORYを刻んでいくことになりますが,自他共に認める常に前向きの私らしく,やはり「いつも楽しそうだね!」と言われる自分であることを期待して,愛媛大学とともに,もう少し歩を進めていきたいと思います!SPOD新任職員研修での講習風景(高知大学、2016年5月9~11日)※関連URL四国地区大学等教職員能力開発ネットワークhttp://www.spod.ehime-u.ac.jp/愛媛大学教職員能力開発拠点 http://web.opar.ehime-u.ac.jp/※字句説明※1SPOD:四国地区大学等教職員能力開発ネットワーク※2SD:Sta Development/職員の能力開発※3SDC:Sta Development Coordinator/SDの実践的指導者※4教職員能力開発拠点:全国の教職員能力開発拠点(文部科学省認定)※5スタッフ・ポートフォリオ:職員業績記録(自己省察,エビデンスを含む)※6男女共同参画:(S54女子差別撤廃条約,S60男女雇用機会均等法,H11男女共同参画社会基本法)テニスマガジン主催大会出場時の一コマ,愛媛大学の同僚女性の4人,(1987年7月20日、左端が吉田,右端大森さん,医の男性医師2人と組んでミックスダブルスでベスト16,中2人は他チーム)

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