愛媛大学法文学部 創立50周年記念誌
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79Ehime University Faculty of Law and Letters 50th1、2か月に1回は試験がありました。2年目以降は銀行から求められる資格だけでなく、自分が興味のある分野の資格試験なども受験するようになりました。今思うと学生時代よりも勉強していたかもしれません。11年目となった今でも、法改正や時代の変化に即した資格の取得を続けています。そうしたことから、卒業後も検定試験の受験等で愛媛大学を訪れることも度々あり、卒業後の愛媛大学のキャンパスの変化などを陰ながら見守ってきました。また、愛媛大学の方とお仕事をしたこともありました。2年前には、金融機関に就職した卒業生として、「社会と人間」の講義の1コマで学生の方たちの前でお話する機会もいただきました。これからも地元で暮らす卒業生として、愛媛大学、そして法文学部の発展を応援していきたいと思います。 最後に、卒業生として現役学生の方に伝えられることがあるとしたら、学生のときにしかできないことはやっておかないといけない、ということだと思います。何にそれを見出すかは人それぞれだと思います。私の場合は人との交流です。大学には愛媛県外から来ている学生も多く、また、実家から通う学生でも、県外に就職して地元を離れる人もいます。距離が離れると会える機会は減ってしまいます。また、近くにいても、業種が異なれば仕事の休みが合うとは限りません。そして、家族構成が変化するなど、学生のときとはそれぞれの環境が変わってきます。私が学生のとき一緒に海外旅行に行った友人たちも、今は離れた場所に住んでおり、会うことはできなくなりました。毎日会えることがずっと続くとは限らないと思って一日一日を大切に過ごしたいものです。 そして、アルバイトでの出会いです。アルバイトで出会う人との交流は、大学で出会う人とは異なる分野の視野が広がり、とても良い経験になります。また、年上の方からは様々なアドバイスがいただけます。私の場合、ありがたいことに当時のアルバイト先のメンバーとの交流は今でも続いており、社会人になってからも人生の先輩としてのアドバイスをいただいています。もちろん学業中心ですが、就職する前に社会経験を積んだり、人生の先輩と出会う場は必要だと感じました。 近い将来AIやロボットなどに人間の仕事が奪われる時代が訪れると言われています。こうした便利な時代だからこそ、人と人との関わりが大切になってくると思います。これから社会に出る学生の方だけでなく、社会人である私たちも、人間にしかできないこと、自分だからできることが何であるか、今しかできないことは何かを問いながら、日々を大切に過ごしていく必要があります。法文学部は、そうしたコンピューター等にはできない知識を学べる環境が整っていると思います。私が在学していた頃とは法文学部の学科やコースも変化しました。時代の変化に伴い、法文学部が進化し続けていくことをこれからも応援しています。法文学部周辺の花グリーンホール前中庭のミニバラ(写真提供:久保泰敏)

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