愛媛大学法文学部 研究ニューズレターvol.1
13/16

13▲ 台湾茶畑でのフィールドワーク▲ 両国学生が一緒に茶道体験NEWS LETTER vol.1A cademic exchange 台湾開南大学との学術交流佐藤 亮子 ・ 米田 誠司はじめに  当コースは地域や観光まちづくりをテーマにした少人数コースであり,学外研修は主に国内をフィールドにしてきた。ただ地域においても,大学教育においても,国際交流は大きなテーマであり,2013年度より台湾・開南大学と合同でフィールドワークを実施し,学生・教員それぞれの学術交流を行ってきた。特に近年は,両国共通の文化であり日常生活で身近なお茶をテーマに掲げ,それぞれの現場に赴いた。以下にその概要を述べる。 1.フィールドワークの概要 ・とりまとめ時に言葉がうまく通じず理解に苦労したが,相手が何を伝えよう としているのかを注意して聴き,内容の濃い話し合いができていた。 ・今回お茶にテーマを絞ったことにより,台湾の茶文化を深く体験でき,日本 の茶文化も振り返ることができ有意義な研修であった。 ・日本で4カ所しか存在しない発酵茶(石鎚黒茶)の製造体験や,茶道体験 は貴重な機会となった。 ・少しずつ学年が入れ替わりながら何度も交流を重ねているので,お互い の気心も知れ深い国際交流となってきた。 2.合同で実施することの意義  お互い相手の国の文化を知ることは国際交流において貴重な経験となるが,相互に訪問するので自国も案内することとなる。その際日頃知らない自国の文化等を調べることも貴重な体験となる。多少の言葉の壁はあっても,フィールドワークで同じ経験をしており,そこをきっかけに一緒にとりまとめ作業をすることで一体感が生まれる。両校の班別混合チームで滞在期間中すごすことにより,教員を介さずとも学生同士の自主的な交流が生まれ,さらに今年度は本交流事業に参加した台湾の学生1名が愛媛大に留学するなど,合同フィールドワークの成果が少しずつ出てきている。 3.課題とこれからの展望  今年度法文学部が改組され,旧カリキュラムで行ってきたこの開南大学との交流を,新カリキュラムのグローバル・スタディーズコースとしての交流にうまく接合させたい。  単なる両校訪問でなく,テーマを持った合同フィールドワークとして実施することにより,相手国と自国の両方の文化や産業を知ることのできる貴重な経験となっている。 まとめ  本交流の特徴である,①日台相互に訪問し,②設定したテーマに沿った現場フィールドワークを実施し,③混成チームによる活動・調査・発表を行うという方法の有効性を今後も高めていきたい。 地域コース・観光まちづくりコース(観光政策系)による,お茶をテーマにした台湾開南大学との合同フィールドワーク実践 (1)台湾フィールドワーク(桃園市,台北市)   日程:2015年12月18日~22日   12月19日 AM:台湾現代風茶体験,PM:両地域のプレゼン   12月20日 AM:農家・茶畑見学,PM:製茶工場見学   12月21日 AM:両校混合チームとりまとめ,PM:各班発表 (2)愛媛フィールドワーク(西条市,松山市)   日程:2016年8月21日~25日   8月22日 AM:茶道体験,PM:茶農家,西条市見学   8月23日 AM:発酵茶製造・煎茶作法体験,PM:松山見学   8月24日 AM:両校混合チームとりまとめ,PM:班別散策   8月25日 AM:発表とりまとめ,発表

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る