愛媛大学法文学部 研究ニューズレターvol.1
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14▲ 1日目の埋蔵文化財調査室の参観▲ 隋の煬帝墓にてA cademic exchange 上海・復旦大学との学術交流 NEWS LETTER vol.1水野 卓復旦大学と愛媛大学の相互学術交流 <復旦大学文物博物館学部の愛媛訪問>  2014年9月に締結された,愛媛大学法文学部と復旦大学文物博物館学部との学術交流協定に基づく交流事業として,2年目となる今年度は,11月4日に呂静・鄭奕の教員2名と院生1名・学部生3名の方々が上海から松山を訪れました。  1日目(4日)は大学到着後に埋蔵文化財調査室や愛大ミュージアム,東アジア古代鉄文化研究センターを参観しました。いずれも関係者の方々から詳しい説明が行われ,復旦の方々が日本の考古学の発掘方法や博物館の展示状況に関心をもって聞いている様子が印象的でした。夕方には学生同士の交流会が行われ,夜には愛媛大学側から加藤好文学部長をはじめ,吉田正広・菅谷成子・高橋弘臣・吉田広・三吉秀充・水野卓・藤田勝久らの教員が参加しての歓迎会が開かれ,旧交を温めました。  2日目(5日)は午前中に松山城を参観,午後は資料学講演会に参加し,今回訪問された復旦大学の呂静先生にもご講演いただきました(詳細は資料学のページを参照)。  3日目(6日)はエクスカーションということで,午前中は西予市にある愛媛県歴史文化博物館を参観し,午後は内子町の散策をしました。特に,内子町の古い町並みは復旦の方々も気に入ったようで,少し歩いてはお土産物屋に入って買い物をするなど満喫した様子でした。夜に送別会を行いましたが,その後,大街道にある「マツモトキヨシ」に行きたいということで連れて行ったところ,まさに「爆買い」状態で,ニュースでしか耳にしなかった言葉を目の当たりにし,「百聞は一見に如かず」を実感することができました。  4日目(7日)は,午前中に三津の渡しを訪れ,ほんの一部ですが瀬戸内海を参観した後,お昼過ぎの飛行機で松山空港から上海へ帰国の途につきました。 <愛媛大学法文学部の上海訪問>  11月28日に愛媛大学法文学部の一行は上海に向けて旅立ちました。今年度のメンバーは三吉秀充・水野卓の教員2名と院生1名・学部生5名に藤田勝久名誉教授夫妻を加えた10名で,大所帯での復旦大学訪問となりました。  1日目(28日)は飛行機の遅延もありましたが,大学到着後に交流会が開かれ,文物博物館学部の教員や学生の歓迎を受けました。夜も文物博物館学部の学部長をはじめとする教員が参加されての歓迎会が開かれ,盛大な歓待を受けるとともに,本場の中華料理に学生たちは大喜びでした。  2日目(29日)は午前中に上海博物館を参観し,その展示物の多さに圧倒されつつ「豫園」に移動,昼食に小龍包を食べてから「外灘」を散策しました。その後,大学に戻り,三吉先生による講演会「日本列島における農耕地研究の現状」と院生の安田さんによる相撲についての発表も行われました。特に,三吉先生に対しては出発直前に日本で発掘成果が報道されたこともあり,復旦大学の教員・学生からたくさんの質問が寄せられました。  3日目(30日)は上海を離れ,鎮江まで足をのばしました。金山寺や鎮江博物館を見学した後,宋代・明代などの古い町並みが残る「西津渡古街」という歴史観光地を散策しました。  4日目(12月1日)は揚州の観光が中心でした。まず考古研究所で発見されたばかりの隋の煬帝墓から出土した文物を見せてもらった後,オープン前の煬帝墓を見学しました。出土した文物のなかでも,特に煬帝が身に付けていたとされる金が散りばめられた「ベルト」を実見できた日本人の“学生”はほとんどおらず,非常に貴重な体験だったと思います。その後,漢代の「広陵王墓博物館」や「個園」という清代の庭園を参観しました。  5日目(12月2日)は朝6時に大学を出発して帰国の途につきました。“いろいろ”とありましたが,無事に全員が帰国し,中国人の方々の優しさに触れるとともに,両大学の相互交流を継続する必要性を感じました。

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