愛媛大学法文学部 研究ニューズレターvol.1
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2NEWS LETTER vol.1法文学部長 加藤 好文法文学部研究ニューズレター創刊号に寄せて 法文学部は2016年(平成28年)4月より,それまでの総合政策学科と人文学科の2学科を統合した人文社会学科の1学科に改組し,教育組織として「法学・政策学履修コース」,「グローバル・スタディーズ履修コース」,「人文学履修コース」の3つの履修コースが誕生いたしました。社会科学講座と人文学講座合わせて90名の教員は,各々の専門の教育・研究に従事するとともに,その垣根を越えた共同研究活動においてもレベルの高い研究を遂行しているところです。 しかしながら周知のように,国立大学の法人化以降,私たち教員の仕事量は増え,まして今回の学部改組では多大の時間と労力を割いてきたのも事実です。さらに大学の予算が逼迫するなか,私たちの研究費の確保は喫緊の課題となっています。そのためには,学内の競争的資金はもとより,科研費など外部資金の獲得に向けて全教員がアプライしていく姿勢が欠かせないと言えます。教員一人ひとりが,受け身ではなく,攻めの姿勢で自らの研究環境を守り,切り拓いていくとの意識を持つことが大切なことは言うまでもありません。そのように積極的な方々を法文学部としても可能な限り支援していきます。次年度の学部予算を組むにあたり,その点について改めて力説しておきたいと思います。研究予算を確保し,個人・共同の研究活動を通じてその成果を学生教育に活かし,社会貢献にもつなげていくことにより,法文学部のさらなる発展に寄与していただくことを期待しております。 上述のように厳しい研究状況にあるなかで,「法文学部研究ニューズレター」第1号を発行できることは誠にタイムリーなことだと喜ばしく思います。法文学部の様々な研究活動の特徴や意義などを学内外の皆様に広く知っていただく良い機会となります。関係の皆様のご協力に感 謝申し上げます。本創刊号には,共同研究が7件,個人研究が6件,さらに開南大学及び復旦大学との学術交流と四国遍路・世界の巡礼研究センターの活動報告等が掲載され,実に充実した多彩な研究活動報告となっています。それぞれの研究成果の一端をご一読いただき,忌憚のないご意見等をお寄せいただければ幸いです。 さて法文学部として,ここに特に次のような研究グループの活動を紹介しておきたいと思います。まず法文学部教員が核となった全学センターとして10年を迎える東アジア古代鉄文化研究センターはさらなる深化を目指し,また社会連携推進機構で目下検討中の文系研究センター群の中核を担うことが期待される法文学部附属四国遍路・世界の巡礼研究センター(平成27年4月発足)はその発展に努め,さらに社会科学講座(グローバル・スタディーズ履修コース)教員が中心となって本年度発足した「グローカル地域研究」リサーチ・ユニット(RU)も全学的に研究を展開中です。これらの研究センターやリサーチ・ユニットは幅広い共同研究を推進し,今後ともその成果を地域・日本・世界へと発信して参ります。 海外の大学機関等との学術交流やフィールドワーク・学生交流を通じた研究展開にも積極的に取り組み,グローバル人材の育成を目標に掲げている法文学部の存在をアピールして参ります。また日本国内の大学間交流としては,平成20年11月に結んだ新潟大学人文学部との交流協定が契機となって,平成26年11月には岩手大学人文社会科学部との交流協定締結へと発展し,三大学間での一層充実した学術交流を行う仕組みが整いました。法文学部教員がこのような交流活動への積極的な参加を通じて,ご自身の研究活動面への刺激となることを願っています。 このように法文学部の研究活動領域は着実に広がっており,さらなる発展に向けて全員が一致結束して鋭意取り組んでいるところです。人文学系と社会科学系,さらに三つの履修コースがそれぞれの特徴を出すべく切磋琢磨しながらも,その枠組みを越えた共同研究などで相互に協力し,お互いを高め合っていただきたいと切に願います。最後になりますが,「法文学部研究ニューズレター」第1号の発行を期に,今後一層,法文学部教員の研究活動を応援するために努力・工夫して参りますので,本ニューズレターをご高覧の皆様のご理解とご支援をお願い申し上げまして,ごあいさつといたします。

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