新関 剛史講師

にいぜき たけし / NIIZEKI Takeshi

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専門分野:マクロ経済学
教員からのメッセージ
 日本はこれまでに幾度となく不況を経験してきましたが,その度に政府は大規模な経済政策を打ち出し,景気の下支えに努めてきました。経済政策には大きく分けると財政政策と金融政策があります。財政政策とは政府が公共事業等を積極的に行う政策のことであり,金融政策とは中央銀行である日本銀行が世の中に出回っているお金の量(貨幣供給量)を増やすこと等によって,民間経済を刺激する政策のことです。では,なぜこのような経済政策を行うことで,政府は景気を回復させることができると考えているのでしょうか。
 財政政策は建設業者に公共事業を発注し,橋や道路を建設するわけですから,建設業者の所得が増え,ひいては消費も増えることから,何となく景気にはプラスの効果がありそうです。また,高速道路等のインフラ整備を行うことで,民間セクターの生産性が上がる効果も期待できそうです。しかしながら,財政政策を行うためには財源が必要です。これは,一般的に増税か国債の発行(つまり,借金をする)で賄うしかありませんが,増税や新たな借金は現在の経済状態にマイナスの影響を与える心配があります。こういったマイナス面を考慮した後でも,財政政策は効果があるのでしょうか。また,金融政策に至っては,そもそも世の中に出回るお金の量が増えると,なぜ景気が良くなると考えられているのでしょうか。
 このように,経済政策ではどのような理論的なメカニズムが想定されているのか,またその理論がどの程度データによってサポートされているのか(どの程度理論によって予想されている経済効果が実際に出ているのか)等を考えていくのがマクロ経済学の中でも最重要トピックの一つであり,今でも世界中で精力的に研究がなされている分野です。マクロ経済学1・2の講義を通じて,このような経済政策の面白さをお伝えできればと思います。