大塚 由美子准教授

おおつか ゆみこ / OTSUKA Yumiko

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専門分野:心理学
教員からのメッセージ
 今,このメッセージをご覧になっている皆さんは,目を開ければものが見えるということを当たり前だと思っているかもしれません。私の専門としている知覚心理学の分野では,この「当たり前にものが見える」という状態がいったいどうやって達成されているのか,その仕組みについて研究します。当たり前のように瞬時に生じる「見え」がどういう過程を経て生じるのか意識的に認識することは困難です。そこで,様々な映像がどのように認識されるのか実験的に調べたり,映像を見ている際の脳の活動を調べることを通して,脳でどのような情報処理がなされているのか探求していきます。これは,皆さんが思い浮かべる「心理学」の内容とだいぶ違っているかもしれません。
 初対面の人に「心理学の研究をしている」と伝えると,決まってニヤリとした笑みとともに「じゃあ私の心が読めるでしょう?」といった反応が返ってきます。実際には,心理学的研究を行うことで,他人の心を言い当てられるようにはなりません。心理学を学んでいるか如何にかかわらず,私達は身振り・表情・視線や声の調子などのさまざまな情報に基づいて他者の意図や気持ちを推測する能力をある程度備えています。知覚心理学の分野では,例えば,そのような推測を行うための基礎となる,顔から視線の方向や表情などの情報を取得する知覚の仕組みや特性を,顔画像への反応を調べる実験を通して検討してゆきます。
 私自身は「他人の心を読む」ことではなく「赤ちゃんの視知覚」に興味を持って研究を行ってきました。もちろん,赤ちゃんは世界がどう見えているのか言葉で答えてはくれません。そこで,赤ちゃんの視知覚について科学的に研究するために,様々な映像に対する赤ちゃんの行動の差異を吟味していく心理学的な実験手法が開発されてきました。このような心理学的実験を積み重ねることを通して,赤ちゃんの認識を探っていきます。