菅谷 成子教授

すがや なりこ / SUGAYA Nariko

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専門分野:東南アジア史
教員からのメッセージ
 私と異文化との自覚的な出会いは,小学校1年の秋,当時の西ドイツから日本に帰国した時でした。タラップを降りるなり熱風が吹き寄せるなか,出迎えや見送り,さらには「飛行場」見学の多数の「日本人」を見た時でした。ああ,なんというところに着いたのだ。なんだか黄色い,貧相な体格をし,なんとなく垢抜けない服を着た異様な人びと・・・。西ドイツにいるころ,私は自分が「日本人」で,周りの人びとと違っていることを子供心にもはっきりと自覚していました。それでも日本および日本人の第一印象は,上に述べたようなものであったのです。
 ずっと後になって,ある人が次のように言っているのを聞きました。「飛行機を降りると熱風が吹き寄せてきた。褐色の肌をした人を見たとき,ああ,第三世界に来たのだと強く実感した」と。その後,東南アジアの歴史を勉強するようになって,フィリピンをフィールドとするようになりました。日本に出稼ぎに来たことのあるフィリピン人は,次のように言いました。「日本の空港は素晴らしい。とてもきれいだ。さすが先進国日本だと思った」と。
 しかし,私には「日本の第一印象」が忘れられません。私たちは,ともすれば「欧米」に親近感を抱き,彼らにもそれを期待しがちのように思われます。しかし,一般の欧米の人びとは,日本あるいは日本人のことをどう思っているのでしょうか。一方,アジアの人びとは,どうなのでしょうか。そんな風にいろいろと思いをめぐらせてみると,普段の風景がなにか違って見えてくるかもしれません。