柴田 昌児教授

しばた しょうじ / SHIBATA Shoji

専門分野:考古学
教員からのメッセージ
 私は瀬戸内海の辺りで生まれ,海がある景観を見て育ちました。海産物料理などの「食」は言うに及ばず,潮の「香り」やさざ波の「調べ」など,私は匂いや音にまで海を感じて生きてきたのです。
 このように普段はとくに意識することは無いですが,私たちが育った海や川や山などの自然環境は,いつも身近にあり,知らず知らずのうちに生活の中に溶け込んでいるのです。
 これは,いにしへの人々の生活にも当てはまることではないでしょうか。
 考古学者である私にとって,遺跡や出土遺物は人間の様々な活動が残した痕跡であり,当時の社会や歴史を復元する重要な研究題材です。こうした遺跡や出土遺物を海や山からの視点で見つめ直すと,今まで明らかにすることができなかった新たな歴史を導き出すことができるかもしれません。
 多様な視点で物質文化をみることで,いにしえの人々の活動とその社会を復元することができるのが考古学の醍醐味なのです。かくいう私もこの醍醐味に魅せられた人間の一人。如何でしょう,学生のみなさんも味わってみませんか。