あ行

青木 理奈助手

あおき りな / AOKI Rina

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専門分野:政策情報科学

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教員からのメッセージ
えひめ生まれ、えひめ育ちの愛媛っ子です。

本学部では、社会科学講座の管理全般をしており、教員補佐、学生支援などをしております。
社会科学講座の文献室は豊富に文献が揃っておりますので、教員も学生も活用しております。
大学生活で培われたものは、一生の財産になります。
また、学生時代の友人は、一生の友人!
楽しく充実した大学生活を過ごしてください。

秋谷 裕幸教授

あきたに ひろゆき / AKITANI Hiroyuki

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専門分野:中国言語文化論

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教員からのメッセージ
 日本と中国との関係はなかなか一筋縄ではいきませんが,両国が今後ともつきあい続けていかなければならないことは確実でしょう。その中国の社会,言語,文化等を大学時代に学ぶことは皆さんの人生にとって有意義なことだと思いますし,知的興味の尽きないことでもあります。また大学時代に中国語をマスターしてみたらどうでしょうか。古くから漢字を媒介した語彙の交流があるため,中国語は比較的日本人に取っつきやすい外国語です。そして学習の過程ではぜひ中国での語学研修,語学留学を考えてみてください。中国語の学習ばかりではなく,「異文化」とはどのようなものなのかがきっと身にしみて分かるはずです。事細かには記しませんけど,愉快なことばかりじゃないです。私自身,大学生の時,北京での短期語学留学に参加したことが中国語教員になった最大の原因です。同級生に誘われてその短期留学に参加していなかったら,私が愛媛大学で中国語を教えることもなかったと思います。人生ががらりと変わってしまうような,しびれる体験を皆さんも是非どうぞ。中国語をマスターして,「日本人としての自分」「中国人としての自分」,二倍の人生を楽しんでください。

秋山 英治教授

あきやま えいじ / AKIYAMA Eiji

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専門分野:日本語学

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教員からのメッセージ
 みなさんは,次の文章を読んでどのような植物名(花の名)を思い浮かべるでしょうか。

観賞用に改良された園芸品種で,枝にとげがあります。誕生日などの花束によく使われています。花の色は赤・ピンクが多く,黄色もあります。最近では,青色の花も作られて話題になりました。

答えは簡単です。「バラ」です。ここであれっと思った人がいるはずです。それは,カタカナの「バラ」ではなく,ひらがなの「ばら」や漢字の「薔薇」,さらにはローマ字の「BARA」を思い浮かべた人ではないでしょうか。実は,これら4種類の表記は,どの表記を使っても問題はありません(植物学的な名称などの場合は別ですが)。しかし,同じ植物を表すのに,何種類もあって,どれを使っても良いというのは,不思議なことです。
 それでは,次の一文で示されているものは何でしょうか。

転んで足や手など傷を負った際,けがの応急処置として傷口に貼るものです。

カットバン? バンドエイド? サビオ? リバテープ?……。実は,これらすべての語は商品名に由来する語です。しかも,どの語を使用するか,地域によって違いがあります。しかし,なぜある会社の商品名が各地に広がっていったのでしょうか。
 このように,普段当たり前のように使っている日本語には,まだまだよく分かっていない謎がたくさんあります。自分の使っている日本語にあれっと思った人,いっしょに日本語の謎解きに挑戦してみませんか。

朝井 志歩教授

あさい しほ / ASAI Shiho

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専門分野:社会学

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教員からのメッセージ
 地球環境問題をはじめとして,今日の社会では環境問題に対する関心が高まり,経済や政治,私達の生活など社会の様々な領域のあり方が環境問題と関わっていると考えられるようになりました。しかし,環境問題への関心が進んだ今日でさえも,未解決なまま放置されている環境問題も社会には存在しています。これまで私の研究では,オゾン層破壊物質であるフロンの回収が法律で義務付けられるまでの過程や,米軍基地周辺での騒音問題など,現代の日本社会で解決されてこなかった環境問題を取り上げ,市民運動やNPOの取り組みが問題解決過程にどのような影響を与えてきたのかという点に関心を持ってきました。つまり,環境問題の発生や問題解決が困難な構造的要因の解明と,市民運動による問題解決への取り組みという相互関係について,社会学の観点から研究しています。
 環境問題というと,自然科学の領域での研究だと思われる学生も多いかと思いますが,環境問題というのは自然災害とは違い,人間の諸活動が原因となって発生しています。そのため,人と社会との関わりや,社会規範の形成,集団内での意思決定,社会構造の変化や文化のあり方などといった観点で物事を捉える社会学でこそ,環境問題の把握に有効であるといわれています。
 2011年3月の東日本大震災による福島第一原発の事故以来,放射能という環境リスクの大きさを社会はどのように考えていくべきかという問題に私達は直面しています。社会の持続可能性がますます問われるようになってきた中で,原発問題をはじめとする様々な環境問題を通して,地域や社会,私たちの生活のあり方など,これらのテーマに関心を持つ学生たちと一緒に考えていきたいと思っています。

井口 秀作教授

いぐち しゅうさく / IGUCHI Shusaku

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専門分野:憲法

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教員からのメッセージ
 法学は,神学,医学と並んで,世界で最も古い学問です。そして,神学が人間の心の悩みごとを解決し,医学が人間の身体の悩みごとを解決することを目的とするように,法学は人間の社会的悩みごとを解決することを目的としているから,学問として最も古くから成立し,発展してきたのだと言われます。人間は生活の中で,心の「悩み」だけでなく,身体の「悩み」や社会的な「悩み」を抱えるときがあります。そのような社会的な「悩み」を解決するために,あるいは「悩み」を抱えないで済むように,法学を学んだ経験が活きるでしょう。ただし,そこで役立つものは,法律の条文や裁判所の判例といった知識ではなく,むしろ,法的なものの考え方です。法に関する知識だけであれば大学を卒業してもいくらでも学べます。しかし,法的なものの考え方を修得するには,法学を体系的に集中的に学べる大学時代より適当な時期は他にはないと思います。
 私が法学・政策学コースで担当するのは,憲法学,その中でも統治機構といわれる分野です。ここに登場するのは,国会や内閣,裁判所といったものなので,一見すると人間の日々の生活の中での「悩み」とは縁遠いように感じるかもしれません。しかし,統治機構の分野は,まさに法が人間の悩みの解決に役立つことができるような「土俵」を設定することに関わるものです。
 「土俵」の上で展開される華麗な法学だけでなく,「土俵」の下でそれを支えている法学もなかなか面白い,と思ってもらえるように工夫したいと思っています。

池田 文講師

いけだ ふみ / IKEDA Fumi

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専門分野:政治学

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教員からのメッセージ
私は、政治過程論および比較政治学を専門としています。政治過程論や比較政治学で扱う領域は多岐に渡ります。政治過程論では、政党、選挙、立法過程などの制度的側面から、投票行動やメディアと政治の関係性など有権者側の側面まで、広く研究対象となります。比較政治学では、民主化、政治体制、紛争、議会制度や選挙制度まで、研究対象は様々です。これらの領域の中で、私は、政党や選挙といった「政治制度」に焦点を当て研究をしています。主に、現代日本政治を分析することで、政治制度がどのように政党システム、有権者や利益団体の投票行動、そして、利益分配に影響を与えているのかを明らかにすることを目的としています。現代日本政治の研究を通し、他国の政治現象も説明できる一般可能な理論の構築を目指しています。
 私が担当する授業では、主に現代日本政治の分析を通して、民主主義国家における政治制度と政治過程について学びます。日本政治を中心に学習しますが、他国の政治を学ぶときに役に立つ概念や制度に関して基礎力をつけることも目指しています。「政治」という言葉を聞くと、敷居が高く感じてしまう人や難しそうだと感じる人もいるかもしれませんが、実は決してそうではありません。私たちの生活は様々な制度に支えられており、政治と密接に関連しています。例えば、選挙で投票することで、私たちは、意見を代表してくれる政治家を選んでいます。そして、私たちの代表としての政治家が政党をつくり、また、政策立案に携わっています。授業を通して、政治学が私たちの生活に身近な学問であることを伝えていきたいと思っています。
 政治学の学習で重要なことは、多角的にかつ柔軟に物事を見ること、論理的に考えること、そして、自由に発想し、新しいことに臆することなくチャレンジすることです。政治学の研究においては、正しい答えはありません。また、アプローチの仕方や研究方法にも正解はありません。多角的かつ柔軟に現代社会を見ることからスタートし、自由にかつ論理的に考えながら、試行錯誤しながら挑戦していくことが大切です。これらの能力は、大学での政治学の研究に留まらず、大学卒業後、社会人として生活していく上でも役に立つものです。大学生活を通じて、学生の皆さんがこれらの能力を身に着けられるように、皆さんと一緒に、時には悩み、考えながら、共に学びを進めていきたいと思います。

池野 敦貴講師

いけの あつき / IKENO Atsuki

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専門分野:民法

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教員からのメッセージ
現象に立ちどまって「あるのはただ事実のみ」と主張する実証主義に反対して、私は言うであろう、否、まさしく事実なるものはなく、あるのはただ解釈のみと。
出典:フリードリッヒ・ニーチェ(原佑訳)『権力への意志 下』(筑摩書房、1993)27頁

 法律と聞くと、上から降ってきたような、どこか個人では変えがたいもののように思う人もいるかもしれません。しかし、それは決して絶対的なものではない。「解釈」という主観的な作業によって相対的な意味が明らかにされるものです。法律の文言、社会、時代、他者、そして時にはかつての自己。それらと自己との間の尽きることを知らぬ対話のなかで、正解とはかぎらない一応の解としての読みを導き出す。そうした「解釈」が、法律に付き物の作業なのです。
 そう考えてみると、人によっては法律学のおもしろさを垣間見ることができるかもしれません。決まった事柄を覚えるよりは考えることが大事なのであって、そこがおもしろさにつながると思うのです。「このはしわたるべからず」という看板を無視して他人が所有する橋を渡った一休さんは本当に正しかったのか。「ここではきものを脱いでください」という言葉はどういう意味のルールを示しているのか。遠足のしおりの「おやつ(300円まで)」にバナナは入るのか。さしあたり、そういった禅問答のような問いから考えてみても良いかもしれません。
 なかでも、民法という法律は、日常生活のいたるところに顔を出してきます。いま着ている服を入手したとき、なぜお金を払わなければならなかったのか。この文章が掲載されている書物または映し出されている機器は、誰のものなのか。なぜ池野はこの文章を書かなければならなかったのか。挙げればキリがありません。われわれは民法のもとで生きていて、民法はそこかしこに息づいている。そう言っても過言ではないのです。民法について考える種はそこかしこに蒔かれていて、思考の水やりを待っているわけですね。
 その種をみなさんにも見つけてもらって水やりをしてもらい、あわよくば民法学のおもしろさという花を咲かせてもらう。コロナ禍ですっかりコーヒー(現在のお気に入りはパプアニューギニア)と料理(得意料理はポタージュ)にハマってしまったおじさんが、もしよろしければ、そのサポートをさせてもらおうと思っています。
 ただし、おもしろいという結果を約束することはできません。僕はあくまでそのための手段を尽くすにすぎません。おもしろくなくても債務不履行だなどとは言わないでください…。

石黒 聡士准教授

いしぐろ さとし / ISHIGURO Satoshi

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専門分野:地理学

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教員からのメッセージ
 今日はどんな坂を登りましたか?
 私たちが普段の生活で目にしたり,体感したりする地面の起伏などの自然環境は,理由もなく,なんとなくそこにあるように見えても, そうなっている理由が必ずあります。そしてそれは,気が遠くなるような壮大な空間的・時間的スケールの中で形作られてきたものです。私たちはその一端を見ているに過ぎません。
 地形や気候は私たちの生活に密接に関係しています。平らで広く,多くの水を湛えることができる平野は,水田に適しており,秋には一 面が黄金色に染まります。一方で,日当たりがよい斜面で,水はけが良い土地は果樹園に適しており,さまざまな果物がたわわに実りま す。昔から,人はこのような土地の性質を上手に利用し,工夫することで生活してきました。
 しかし,自然は恩恵ばかりを与えてくれるものではありません。台風や大雨により,河川は氾濫して洪水を起こし,活断層が活動すれば 地震が発生し,時には甚大な人的・物的被害をもたらします。自然災害の発生の仕組みを解明し,いかに被害を軽減するかを追求するこ とも地理学の大切な役割の一つです。
 私たちを取り巻く自然環境を観察するためには,どのような方法があるでしょうか。地球規模の広域を対象にする際には,衛星画像を 用いることが有効です。都市や集落などを対象にする際は,航空写真が有効です。そして何と言っても,地理学において最も重要かつ 直接的な手段は,現地に出かけていって実物を観察する踏査です。
 さらに近年はUAV(Unmanned Aerial Vehicle, 無人航空機,いわゆるドローン)が爆発的に普及し,自然地理学的調査に革命的な変化 をもたらしています。私はUAVを地形学的調査に応用し,従来は不可能であった高精細な地形解析に取り組んでいます。
 自然地理学は,人間生活を取り巻く自然環境を注意深く観察することから始まります。なぜそこは坂道になっているのか,なぜそこに 崖があるのかなど,まずは「なぜ?」に気づくことが大切です。その問いに対して現地を観察し,考察し,答えを見いだすことは,ひいては 災害に対して強靭な社会をつくることにもつながります。
 今日あなたが登った道は,なぜ坂になっているのでしょうか?

石坂 晋哉教授

いしざか しんや / ISHIZAKA Shinya

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専門分野:地域研究

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教員からのメッセージ
 アジア地域研究の魅力は,第1に,アジアの面白さ,奥深さ,多様さに触れることができる点にあります。みなさんはアジアと聞いて,どんなことをイメージしますか? アジアには,日本もその一部である東アジアの他に,東南アジア,中央アジア,南アジア,西アジア(中東)といった地域があります。各地域は,それぞれ固有の生態地理的条件のもとで,さまざまな歴史的経緯を経て,固有の特徴を備えています。日本とは異なる地域の社会や文化,政治や経済について学ぶことで,日本の“常識”を離れて,幅広い視野から物事を見たり考えたりすることができるようになるでしょう。
 例えば,アジア地域研究のゼミでは,インド独立運動の闘士M.K.ガーンディーの主著『真の独立への道』を読み,その非暴力主義や近代文明批判の今日的意味について,じっくりと考えます。ガーンディーの思想と行動は,19世紀末から20世紀初めにかけてのインドやヨーロッパなどの思想的・文化的状況や,当時の政治・経済の動きのなかで培われた独特のものです。しかしそこには,私たちが今,自分自身や世界について,これまでとは違った角度から捉え直したり,それらの理解を深めたりするために役立つ,さまざまな鍵が含まれています。
 ところで,現在,世界に生きている人の半分以上はアジアに住んでいる,という事実をご存知ですか? グローバル化の時代を生きていくみなさんにとって,今後,日本以外のアジアの人たちと接する機会も増えていくことになるでしょう。そうした時,アジアの社会や文化について大学で本格的に学んだ経験は,大いに生かされるに違いありません。これが,アジア地域研究の第2の魅力です。
 地域研究で重視されるのは,現地フィールドワークです。本や論文を読んだり,インターネットやTVを視聴したりして得る知識だけでなく,実際に現地に足を運び,現地の空気を身体全体で味わい,そこの人たちと直接話をして初めて得ることができる知識というものがあります。法文学部の「海外フィールド実践」はそれを体験する科目です。海外での“出会いと対話”は,きっと,みなさんの今後の人生にとって大きな意味をもつことになるでしょう。

泉 日出男教授

いずみ ひでお / IZUMI Hideo

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専門分野:経済法

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教員からのメッセージ
 主として「独占禁止法」や「知的財産法」といったビジネスに関連する法律と「フィールドワーク」を担当しています。ビジネスに関連する法分野は,学生生活を送る上であまり自分には関係がないと考える学生が多いようですが,就職後に業務を行なう上では必須の分野になります。そこで私が担当するゼミでは,最初に東京商工会議所が主催する「ビジネス実務法務検定試験(3級)」の合格に向けた対策を行ない,ビジネスに関連する法分野の基礎知識を習得します。そしてこのような基礎知識を前提として,経済法,知的財産法,消費者法の分野に属する個別具体的な法律について学んでいきます。また私が担当する知的財産法では国家試験である知的財産管理技能検定公式テキスト(3級)を教科書として指定し,受講後に検定試験を受験するよう学生に奨励する予定です。
 愛媛大学法文学部の特色ある科目としてフィールドワークが挙げられますが,私も担当者の一人として名を連ねています。上述の研究テーマに消費者団体訴訟制度を挙げていますが,この制度は,内閣総理大臣の認定を受けた適格消費者団体が,消費者にかわって,事業者の不当な行為をやめさせるように請求できる制度です。2015年11月30日現在,全国に13の適格消費者団体がありますが,東北地方,北陸地方,四国地方には適格消費者団体がありません。私は社会活動の一環として,四国初の適格消費者団体としての認定に向けた活動を行なっているNPO法人の理事としての活動を行なっています。そこで私の担当するフィールドワークでは,我々が日常生活を行なう上で遭遇するであろう消費者トラブルについて,愛媛県や松山市などの協力を仰ぎつつ消費者法の観点から検討していく予定です。