愛媛大学法文学部 国際交流報告書2015
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20いて勉強してきた。その中で、アメリカが多民族国家であることや、黒人やムスリムなどのマイノリティが正当に扱われないという問題について学んだ。こうした知識を踏まえてアメリカへ行くと、様々な角度から物事を捕えることができて、道を歩いているだけでもわかることがたくさんあって面白かった。(板倉友里恵) 私が最も印象に残っている、最大の思い出は高校で1日高校生に密着したことだ。最初は緊張した。先生も誰もいない中、1日やっていけるのか。しかし、パートナーの高校生はとても優しく、常に私のことを気にしてくれ、校舎の説明や授業の受け方などたくさんことを教えてくれた。保健や科学など、いろいろな授業を受けたが、数学の授業では、内容がわかり、問題も解けて少しうれしくなった。また、昼食のときには、いつも一緒に食べているであろう女の子たちとおしゃべりを楽しんだ。「私は菜食主義者なの。」と言ってリンゴをまるかじりしながら、得意のダンスを踊ってくれた子がいたり、放課後は何をしているのか、高校生の生活を知ったり、自分も少しアメリカの高校生に溶け込めたような気がした。やはり、若く見られるのか、私が20歳だというとみんな驚いていた。高校生は授業でも進んで発言したり、しっかり自分の意見をもっていたりと、見た目も精神面も私より大人だと感じた。そういったところは見習い、成長して、またいつかお世話になった高校生たちに会いたいと思う。(氏家里依子) 今回のフィールドワークで、私は初めてアメリカを訪れた。たった9日間という短い滞在時間であったが、今まで見たことのない世界を見たり聞いたり体験したり本当に濃い9日間となった。まず印象に残っているのはソマリ族の人々のやさしさだ。アメリカに行く前の事前学習でソマリアについて学んだが、学べば学ぶほど今回のフィールドワークでインタビューをすることに少し不安に思っていた。ソマリアの内戦の話、女性問題の話、さらには最近のISIS関連の話、ほとんどの情報であまり良いイメージを持つことができなかった。しかし、実際に接しみるとそれまで持っていたイメージと違い、ソマリの人たちはとても優しく、義理堅い性格をしていることがわかった。前日に約束をすっぽかしてしまったのに怒るそぶりを見せず次の日にソマリマーケットを案内してくれたり、私たちの片言の英語に笑顔でインタビューに答えてくれたり、あげるときりがないくらいソマリの方々のやさしさに触れることができた。それと同時に、こんなにやさしい人たちが、少数の悪質な人たちのせいで差別や偏見を受けたりしていることが本当に悲しかった。これは日本にいるだけでは分からなかったことで、もしかしたら私も同じ偏見を持っていたかもしれない。実際に現地の人と話すということの大切さを痛感した。(飯泉果奈)ミネソタ大学のムスリムの女子学生にインタビュー。ソマリ料理のレストランにて、ソマリ族のリーダーの方たちと交流しました。ミネソタ州とウィスコンシン州の州境を流れるSt. Croix川のほとりにて。ミネソタ大学の日本史の授業に参加。日本語のできる学生も居て、色々な質問を受けました。   (写真撮影:近廣昌志教員)

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