愛媛大学法文学部 国際交流報告書2015
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1 日本学生と台湾学生による,双方向の国際フィールドワークを実施した。一昨年,昨年と続く3回目となった。国際学生間での問題意識の共有,共同実施と相互研鑽,双方向実施という課題は,もはや何ら支障なくクリアーできるまでになった。台湾でのフィールドワークについては,「グローバリズムのもとでのローカルtoローカル」ということだけを全体テーマとし,学生各々の問題関心を最大限に尊重することとした。一方,日本でのフィールドワークは地域間の産業連携ということに着眼し,宇和島での真珠養殖に重点を置いて実施した。 下に記す概要において,日本分は省略することとした。その分では,遊子漁業協同組合の方々,同真珠養殖業者・作業場の方々,タカハシパール株式会社の方々,愛媛県漁業協同組合連合会宇和島支部の方々には,何かと,たいへんお世話になった。ここに深くお礼申し上げたい。 なお,台湾においても数多くの方からの協力を得ることができた。フィリピンやベトナム出身のメイドさんやヘルパーさん,公園に集う老人方から,高雄市内各大学の先生方,市会議員の方まで,幅広く,計り知れないほどのお世話になった。心からの感謝の意を表したい。これほど心温まるフィールドワークは無かったと思っている。 フィールドワークについては,近々に報告書が刊行される。内容面については,そちらを参照されたい。 参加者だが,日本側は大学院生の野邉みなも,学部学生の翁康健,門脇昇平,稲垣莉沙,秋岡美香,道久諒元の6名,台湾側は高雄応用科技大学から黄紫玲,呉鈺涵,黄韋庭,陳志威,蕫榮昌,姚熠穗ら6名の学部生,高雄第一科技大学からは大学院修了生の薛有舜1名であった。薛氏は,大学院を修了した後,就職までの期間中ということで,特に協力してくれた。また彼は,昨年,一昨年のフィールドワークの台湾側メンバーでもあり,こうした賛同者・協力者ができたことは,うれしい限りという他ない。 さて,各々のフィールドワーク課題は,野邉みなもが「国際移民と社会的ネットワーク」,翁康健が「台湾人のアイデンティティ」,門脇昇平「台湾の葬送・墳墓と死生観」,稲垣莉沙「台湾における底辺層と人身売買」,秋岡美香「台湾における国際結婚」,道久諒元「台湾の銀行と庶民金融」であった。フィールドワークは,直接面接による聞き取り調査および資料調査として行われた。聞き取りにあたっては,できる限り相手方の自宅,事業所,会社などを訪問する形をとった。それは何より,調査対象に関わる周辺的諸事象を理解するためである。 下に日時および聞き取り対象者・視察地を一覧表として記した。表中にも記したが,個人調査を軸とし,台湾側の協力者やパートナー学生との連携がスムーズであったため,対象者は実に多数・多岐に及んでしまった。やむなく一部省略する形となったことをご容赦願いたい。ただしこれは,フィールドワークが極めて順調かつ成功裏に進行した証でもある。日時および聞き取り対象者・視察地月日(地点)聞き取り調査対象者および視察地(多数,多岐に及ぶため一部省略)8月26日(高雄到着)8月27日(台中市)斎場視察,斎場担当者聞き取り,葬式参与観察,市役所視察,議会関係者聞き取り(議員および秘書)8月28日(高雄市)九龍禮儀館視察,同社長・専務聞き取り,福気教会視察,同牧師聞き取り,W.L.氏聞き取り(国際結婚・国際移民),L.J.氏聞き取り(国際結婚・国際移民)8月29日(屏東県・高雄市)福安宮視察,古戦場視察,潮音寺視察,大学教員との討議(義守大学:謝教授,鄭教授,高苑科技大学:楊副教授,高雄応用科技大学:王教授,楠原講師,高雄第一科技大学:張教授)8月30日(台南市)国立臺灣歴史博物館視察,同学芸員聞き取り,鎮安堂視察,同堂守聞き取り,台南林百貨店視察1.はじめに2.台湾フィールドワークの概要2015年度 日台学生国際共同フィールドワーク 中村 則弘費 用(台湾分) 7.2万円(国際交通費2.7万、国内交通費1.5万円、宿泊・食費3.0万円)日 程(台湾分) 2015年8月26日〜9月4日(高雄市,台中市,台南市,屏東県) (日本分) 2015年7 月19日〜7月24日(松山市,宇和島市)参加学生(台湾分) 6名(台湾側は院生・学生7名) (日本分) 6名(台湾側が学生2名)
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