愛媛大学法文学部 青い地球交流記2015
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大学時代の留学経験は、かけがえのない宝物。海外研修や留学で第一歩(=ホップ)を踏みだし、 その経験を活かして就職活動を乗り越え(=ステップ)、社会人として、それぞれの場で活躍(=ジャンプ)している先輩がたくさんいます。そんな先輩2人の声をお届けします。―留学を就職に活かす―ホップ・ステップ・ジャンプ!ホップ・ステップ・ジャンプ!ホップ・ステップ・ジャンプ!HOPHOPSTEPSTEPJUMPJUMP留学という形では、1ヶ月間という短期間ですが、カナダ・トロントの語学学校に英語を学びに行きました。学校の同じクラスには、韓国、コロンビア、サウジアラビア、スペインなどなど、様々な国籍の学生がいました。放課後には、彼らと一緒にご飯を食べたり、カフェでお茶をしたり、そして週末にはナイアガラの滝やニューヨークに出かけたりして、密度の濃い、楽しい時間を過ごしました。また、1ヶ月間の宿泊は、80歳くらいの優しいおばあさんのお宅でのホームステイでした。その家には、ブラジル人の女の子も、私と同じようにホームステイしていました。私がいたトロントのように留学が盛んな地域では、1つの家庭に2人や3人の留学生がホームステイするということは、よくあります。そもそも、英語を学ぼうと決めたきっかけは、人生初めての海外旅行でフィンランドに行ったときに経験した悔しさからでした。当時、私は大学1回生で、受験勉強で学んだ英語しか身につけていませんでした。そんな私が、オーロラ鑑賞を終えて満たされた気持ちでホテルへ向かって帰っていると、チェコスロバキアから来た20代のカップルが「日本人でしょ?!私たち、日本が大好きで、ちょうど今その話をしていたの!」と息を切らせながら走り寄ってきました。彼らの話すことは理解できるのに、私ができた会話といえば「どこの国から来たの?」くらいです。こんなに素敵な出会いなのに、こんなに話したい気持ちはあるのに、満足な会話ができないことがすごく悔しくて…。そのとき、大好きな旅をこれから楽しむために「伝えたいときに、伝えたいことを話す英語力を、絶対身につけてやる」と決めました。その第一歩が、カナダでの語学研修でした。正直に言うと、先述したカナダでの研修では、心から苦労したな、と思うことや、群を抜いて嬉しかったな、という出来事はなくて…。というのも、カナダは多国籍の人が入り混じった先進国なので、外国人や異文化を受け入れる体制ができていて、私たちもその国の一部、といった無難な感覚で過ごせるんです。カナダ以外の経験としては、愛媛大学の短期文化研修プログラムでインドネシアやフランスの家庭にホームステイしたことがあります。そこで一番苦労したことは、自分自身を現地の文化に適応させること。それぞれの国によって、当たり前とされていることやタブーとされていることは全く異なっています。「え?」と感じてしまう異文化を、いかに自分の中にストンと落とし、受け入れられるかということは、一番苦労するけれど実は海外で生活する際に一番欠かせないことだと思いました。一番嬉しかったことは、インドネシアで、言葉の通じないホームステイ先のおばあちゃんが、2週間の現地生活を終えて私が帰るとき、ぎゅっと抱きしめてくれて、涙を流してくれたこと。このとき、「言葉が通じることは大切だけど、それが全てじゃないんだな」と初めて気づいて、なんとも言えない、幸せな気持ちになりました。私の場合は、現在勤めている会社が国際部で働く人材を探していたので、留学などを含めて海外で身に付けた英語力が直接、採用につながったと思います。私は就職活動時に当社以外にもたくさんの企業を受けていたのですが、どの企業の面接の際にも、この海外経験が話題になって、面接官の方たちが興味をもってくださったことを覚えています。海外に行くと、いろんな意味で非日常のハプニングや苦労、喜びが経験できます。そこで1人の人間が何を感じ、どのようにものごとに向き合い乗り越えるのか、というようなことを企業の方に引き出してもらえる大きなトピックになったのではないかと思います。言うまでもなく、英語力は直接今の仕事に生きています。ですが、その英語力より、大学時代に文化も言葉も違ういろんな人と接することで、自分にとっての「人と向き合う姿勢」ができたことが、社会人生活において最も役立っている気がします。海外経験を通して気づいたことは、人はそもそも違うということ。だからこそ、他人に何かを伝えるときは、わかってくれるだろう、ではなく、わかってもらえるように伝えることが大事。そして何より大切なのは、自分の考えや意見を押し付けるだけではなく、相手の立場に立つという視線を忘れないこと。それらのことは、現在私が海外の人と仕事をする際だけでなく、社内や社外の日本人と接するときも常に頭の片隅にあることです。また、「落ち着いているね」と周りからよく言われるのですが、それも、海外で過ごした経験が「何か問題があっても、自分が何とかする、何とかできる」という強さを与えてくれたからではないかと思います。2回生の春休みに1回と4回生の秋頃に1回、どちらも6週間ほどのイギリス留学を経験しました。1度目は北部にあるリーズへ、2度目は南部にあるボーンマスという都市に行きました。リーズではホームステイを、ボーンマスでは学生寮を選び、それぞれの生活を楽しむことができました。学校は語学学校もしくは大学附属の語学学校で、1クラス10名ほどの学生にネイティブの先生がついてくれる形で、さまざまな国籍の学生と一緒に授業を受けていました。高校時代から英語を専攻していたこともあり、留学自体にはずっと興味があって大学の間に一度は行ってみたいと漠然と考えていました。どこの国に行くかはしばらく悩んでいましたが、大学でイギリス文学を専攻するようになってからイギリスに興味を持ち、そこに決めました。初めて行った留学がとても楽しく有意義だったので、機会があれば卒業までにもう一度と考えていたのですが、運良く就活も長引かず終わることができたため、4回生の半ばに再び訪れることができました。公共交通機関に関してはいろいろ苦労した覚えがあります。日本ほど正確な時間に着かなかったり来なかったり、なぜか片道と往復がほぼ同じ料金で無駄に多くお金をかけてしまったり、車両を間違えて別の街に行ってしまったり(半分以上は自分のせいである気もしますが…笑)。個人的な趣味になりますが、好んでよく読んでいた「シャーロック•ホームズ」の舞台を再現したSherlock Holmes Museumを初めて訪れることができた時は嬉しかったです。また、ちょうど留学前の時期に「名探偵コナン」でロンドンを舞台にした物語をやっていて、そこで登場した場所を巡った時は付き合ってくれた友人達そっちのけで非常に興奮しました(笑)。私は将来の仕事でもそれまでの英語学習を活かせるようなものをしたいと考えていて、就活も海外との接点があるような企業を中心に行っていたため、単純に留学を経たことで上昇した英語力や留学経験自体も自己PRに役立ったと思います。また、初めて海外に出たことで日本に対する考え方も少し変わりました。決して良いように考えるようになっただけでなく日本の悪い面も多く感じたのですが、いずれにしても日本や世界に対する価値観は少なからず広がり、そういった考え方や得た知識は就活の際のESや面接でも役に立ったと思います。「英語」で「外国人」とコミュニケーションが以前より取れるようになった、というのは当然なのですが、「日本語」で「日本人」と接するときのコミュニケーション力も身に付いたように感じます。私自身もともと人見知りの自覚があり(今でも克服したとは言い難いですが)人と接することにあまり積極的ではなかった方だったのですが、母国語が通じず嫌でも積極的にコミュニケーションをとらなければならない環境に身を置いていたからか、留学を経験する前より人と接することに躊躇いを感じなくなり、社会人となって新しい環境になったとき、会社やスポーツサークルに入ったときにこの経験が活きたと思います。Q1:学部時代、どのような留学を経験しましたか?Q1:学部時代、どのような留学を経験しましたか?Q4:留学経験は、就職活動において、   どのように役に立ったと思いますか?Q2:留学を決心したきっかけは?Q5:留学経験は、現在の社会人生活において、   特にどのような面でいかされていると思いますか?Q3:留学経験のなかで、一番苦労したことと、   一番嬉しかったことをひとつずつおしえてください。Q4:留学経験は、就職活動において、   どのように役に立ったと思いますか?Q2:留学を決心したきっかけは?Q5:留学経験は、現在の社会人生活において、   特にどのような面でいかされていると思いますか?Q3:留学経験のなかで、一番苦労したことと、   一番嬉しかったことをひとつずつおしえてください。カナダ 語学学校のクラスメイトとカナダ 語学学校のクラスメイトとインドネシア 一緒にホームステイした現地学生とインドネシア 一緒にホームステイした現地学生と仕事で訪れた東南アジアのとあるホテル仕事で訪れた東南アジアのとあるホテルSherlock Holmes MuseumにてSherlock Holmes Museumにて留学時期が重なっていた、ゼミの仲間たちとのロンドン旅行留学時期が重なっていた、ゼミの仲間たちとのロンドン旅行現在通っているバドミントンサークルの仲間と現在通っているバドミントンサークルの仲間と学生時代学生時代現在学生時代学生時代現在ポルトガルでの国際会議 束の間の観光時間ポルトガルでの国際会議 束の間の観光時間現在Study abroad brochure 201517名前:加藤 翔 さん2012年卒業(学部時代の専攻:イギリス文学)就職先:一般財団法人 阪大微生物病研究会    (ワクチン製造メーカー)「人と接する力」名前:石川 香純 さん2012年卒業(学部時代の専攻:英語学)就職先:山陽物産株式会社「相手の立場に  立つという視線」Q1:学部時代、どのような留学を経験しましたか?Q1:学部時代、どのような留学を経験しましたか?

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