愛媛大学法文学部 青い地球交流記2019
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編集後記今年度は海外研修受難の年であったといわざるを得ない。これまでは海外研修の脅威といえば災害やテロであったが、今回は感染症が主役となった。まずは自ら引率するウガンダ研修において、6月にエボラ出血熱が隣国のコンゴ民主共和国から飛び火したことで実施が危ぶまれた。このときは幸いにもウガンダ政府が感染の封じ込めに成功したため、研修を数ヶ月延期しただけで無事実施することができた。しかし、年末をまたいで中国で発生したCOVID-19は、先進諸国の対応もむなしく瞬く間に世界中に拡大し、1月以降に予定されていた法文学部のほぼすべての研修は中止に追い込まれた。罹患した場合の致死率の高さ(エボラ)よりも感染力の強さ(COVID-19)の方が、社会への影響が大きいことをあらためて痛感させられる一件であったといえる。参加を予定していた学生にとっては貴重な研修機会が失われたという意味で残念だったと思うが、このような危機への対応もまた経験である。社会に出てからもグローバル化した世界では各地の様々な危機が連鎖するであろう。法文学部生が今回の出来事も含めて海外研修の経験を活かし、様々なシチュエーションへの対応力とレジリエンスを発揮してくれることを期待したい。副編集長 三上 了今年も、海外体験ブックレット『青い地球』をお届けする季節となりました。今年の表紙はスーツケースです。旅のはじまりは不安と希望とをぎゅっと詰め込み、そして帰り道には思い出のぶんだけ重くはちきれそうになっている冒険の相棒。この編集後記を書いている現在(2020年2月28日)、世界は新型コロナウイルスによる感染拡大で先が見えない不安につつまれています。本誌が刊行される3月末には事態が終息に向かっていることを、そして学生さん達がスーツケースとともに安心して一歩を踏み出せる日が1日もはやく戻ってくることを願っています。末筆ながら、副編集長の三上了先生、各ページの執筆に多大なるご協力を賜りました諸先生方、体験記や現地リポート等を寄せてくださった学生の皆さん、そして、今年度も法文学部生の海外渡航を支えてくださった職員の皆さま、ならびに後援会、同窓会の皆さまがたに心より御礼申し上げます。I get ideas about what's essential when packing my suitcase. ―Diane von Fürstenberg(スーツケースに荷物を詰めていると、何が一番大事かわかってくるものよ)編集長 今泉 志奈子オープンキャンパスで留学フェアを開催―見て、聞いて、触れて、海外を疑似体験!―「2019愛媛大学オープンキャンパス」(8月8日~9日)の一環として、法文学部では昨年度に引き続き、高校生を主な対象とした「第8回留学フェア」を開催し、2日間で320人(保護者・引率教員等を含む)の参加者がありました。8回目となった今年の留学フェアでは、①2018年度に実施した海外文化研修・海外語学研修を紹介する「ポスター展示コーナー」、②海外研修を経験した学生が高校生からの様々な質問に答える「留学相談コーナー」、そして③ポスター展示コーナーで紹介されている国々の様々な現物に直に触れることができる「物品展示コーナー」の3つを用意しました。 法文学部では、学生が海外で学ぶことを積極的に支援しています。2020年度もオープンキャンパスなど愛媛大学を高校生に開放できる機会を利用して「留学フェア」を開催する予定です。今この記事を読んでいる高校生の皆さん、次はあなたの番です。ぜひこの留学フェアに参加して、見て、聞いて、触れて、海外を疑似体験してみてください。2020年1月、法文学部ではグローカル・フェスティバルを開催。2019年度にフィールドワークや語学研修などに参加した学生が中心となって帰国報告を行いました。地球の様々な場所で人と出会い、実際にことばを交わし、肌で感じたことを伝えることばには聴く人を惹きつけ、そして勇気づける力があります。会場には、海外研修に関心のある後輩達も集まり、先輩の報告に熱心に耳を傾けていました。グローカル・フェスティバルはこれからも定期的に開催されます。是非、会場の熱気を感じて、あなたも次の一歩を踏み出してください。グローカル・フェスティバル開催―帰国報告会で先輩の声を聴く―ポスター展示コーナーポスター展示コーナー留学フェア会場留学フェア会場物品展示コーナー物品展示コーナーStudy abroad brochure 201918①海外フィールド実践 ウガンダ(引率型)②海外フィールド実践 イギリス(引率型)③フライブルク・ドイツ語研修(協定校でのサマープログラム)④カナダ・英語留学(個人留学)2020年1月グローカル・フェスティバルに参加したグループ・学生各種イベントは要チェック!

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