愛媛大学法文学部 青い地球交流記2024
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国際交流委員の先生からのメッセージ事前の準備︑現地での活動︑事後のふりかえり1る日本庭園では、学生が散歩しにきたり、ヨガのレッスンが行われたりしていました。週末に行ったシアトル近郊の日本庭園はたくさんの人が訪れ、結婚式の撮影にも使われていましだけでも新鮮な気持ちになることがあります。見たことのない野菜や果物を買ってみたり、レジのローカルルールを体験してみるとその土地の人々の暮らしを垣間見た気分になれます。また、かわいいパッケージのお菓子などはお土産にぴったりです。は、私が研究しているテーマの一つは「海外の日本庭園」なのです。海外の日本庭園とは、100年ぐらい前に日本に旅行に来て、日本の風景を見て好きになった人が自分の家に戻って作ったものだったり、国際交流活動の一環で日本の自治体の協力で公園の一角に作ったものだったりと、さまざまなタイプがありますが、世界に数百以上存在しています。た。もともとは日系人が作った庭ですが、結婚するカップルや家族は日系人ではありませんでした。このように、日本の外にある「日本〇〇」について調べるのは、私たちが普段当たり前と思っている「日本」という枠について考えるよい機会です。旅行して全く知らない世界を発見するだけでなく、一周回って、なじみがあるものを遠くに再発見しに行くのもおもしろいですよ。Study abroad brochure 2024みなさんにとって海外に行くことの楽しみは何でしょうか。料理を食べる、風景を見る、外国語で現地の人と交流するなどいろいろありますね。自分の知らない世界に行くといろんな発見があります。例えば、スーパーに行って買い物をする私が海外に行く楽しみは、もう一つあります。それは、「日本庭園」を探すことです。「えっ?日本庭園は、日本にあるから日本庭園と呼ぶんじゃないの?」と思いませんでしたか。実このような遠く離れた地にある日本庭園の多くは、その土地の気候や人々の利用によって独自の形に発展していておもしろいです。去年行ったアメリカ・カリフォルニア州の大学にあカリフォルニア州立大学ロングビーチ校の日本庭園高校生に海外体験の意義を語るシアトルのクボタ・ガーデン入り口で遊ぶ子供たち海外での留学や研修についてイメージするとき、最初に思い浮かぶのは、当然ながら現地での活動でしょう。まずは、カリキュラムに沿った学習やプログラムにある活動等に目が向きます。また、異国の空気を肌で感じながら、いろいろな人と交流する、街を散策する、屋台で食事をする等のことも、心を豊かにし「経験値」を上げるための貴重な体験です。そうした現地での活動に負けず劣らず重要なのは、事前の準備と事後のふりかえりです。事前の準備と言えば、訪問先の国の事情を調べたり、危機管理セミナーに出席したり、必要な予備学習をすることを思い浮かべることが多いのではないでしょうか。もちろんそれも重要なのですが、「渡航前の生活すべてが事前準備に当たる」という視点も大切です。家庭やサークル、アルバイト先等で、どのような人間関係を創ろうとしてきたのか、大学における日々の学習にどのような姿勢で臨んできたのか、ということは海外活動の成果を大きく左右するでしょう。コンビニで買い物をするときに、「お願いします」や「ありがとうございました」と言葉を添えることができれば、海外でよい人間関係を構築する下地にもなるでしょう。事後のふりかえりも、海外体験を、その後の生活や進路開拓に活かすためには欠かせません。帰国後すぐのふりかえりも大事ですが、海外体験の高揚感が収まった3ヶ月後や半年後等に、「海外体験で身に付けたことを、今どのように活かせているだろうか」とふりかえり、「今後さらに活かすためにはどうすればよいか」と考えることも、ぜひお勧めします。若い時の海外体験は「一生の宝物」です。その宝物をしっかりと活用しましょう!法文学部国際交流副委員長 楢林 建司(国際法)海外で「日本」を再発見する松木 裕美(芸術学)

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