越智 雄磨講師

おち ゆうま / Ochi Yuma

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専門分野:芸術学
教員からのメッセージ
 大学の学部時代は映画や演劇について学び、大学院からは主にフランスのコンテンポラリー・ダンス(現代ダンス)について研究をしてきました。ときに、友人やアーティストの演劇公演や映画の制作を手伝い、自らも試しに映像作品を作ってみたり、演者として舞台に立ってみたりしたこともありましたが、自分はどうやら作品を観て分析したり、作品を成立させている社会的背景を考察したりする方が向いているということに気づき、今に至ります。研究者としての専門は現代のコンテンポラリーダンスやパフォーマンス・アート、平たく言えば身体表現になります。

 舞台作品が研究対象でもあるため、学生時代は年間それなりの数の舞台を観て過ごしました。東京、首都圏の様々な小劇場や公立劇場を訪れ舞台を鑑賞し、フランス留学時にはパリ市立劇場などの年間会員になり当時のパリにおける主要なダンス作品はかなりカバーしていたのではないかと思います。また夏には、南仏で開催される世界最大級の演劇祭・アヴィニョン演劇祭を訪れ、会期中は舞台漬けの日々を過ごしていました。 
 
 こうした鑑賞経験を繰り返すなかで、ときに、文化や言葉を超越して迫ってくるヴィジュアルや身体表現の強度に貫かれるような瞬間がやってくることがあります。閃光に貫かれたようなあの一瞬は何だったのだろうか、と。後から振り返ってみても簡単に解答が得られない謎の瞬間の重なりが、私が研究を続けている動機の根底にあるのだと思います。身体というものは、誰もが持っているものでありながら言語で捉え難いものです。しかし、その身体を基にした表現の魅力や意義の言語化に挑むことに研究上の面白さがあると感じています。
 
 愛媛大学に着任する前は、研究の傍ら、劇場や公的機関で和太鼓から初音ミクまで、古典芸能から2.5次元ミュージカルまで日本の様々な文化や舞台を国内外に発信する仕事にも携わっていました。そのような経験を通過したこともあって、関心領域は芸術からネット時代のサブカルチャーまで結構広いと思います。ゼミ生の関心も幅広く、映画、演劇、パフォーマンス、ファッション、ビデオアート、バーチャルYouTuberなど多様です。

 誰もが、うまく言葉にできないけれど、なぜか心を奪われてしまう表現に触れた経験を持っているのではないかと思います。それには何かしらの理由があるはずです。みなさん、そのような謎を解きほぐしながら、共に芸術や表現文化の魅力や可能性につい考えていきましょう。それは、私たちの感性や感覚について考えることであると同時に、時代や社会について考えることにもつながっていくはずです。