愛媛大学法文学部 創立50周年記念誌
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11Ehime University Faculty of Law and Letters 50th 平成8年という教養部廃止の年に愛媛大学に職を得て、今日に至る私自身の愛媛大学での経歴を重ね合わせてみると、法文学部のまさに激動の時期に遭遇したことを改めて実感する。赴任当初は、教授会での先輩の先生方の気迫に圧倒されながら、徹夜で講義ノートを作って足が震えながら教壇に立ち、手探りで学生指導を行い、さらに研究者として一人前になるべく必死に研究もしていた。途中から学生支援を中心に法文学部の管理運営にも関わるようになり、その時々の執行部を支えてきた。平成25年の「ミッションの再定義」、平成28年の法文学部の改組にも関わり、文部科学省との折衝にも参加してきた。 学部長に就任して、これまでとは少し違った角度から法文学部を見るようになった。地元の自治体、企業に学部長就任の挨拶に回り、また、法文学部同窓会の各支部の総会に出席し、また、愛媛大学校友会の中国支部の設立総会にも立ち会った。また、大学院改革に際しては地元のニーズや意見をくみ上げるために、地元自治体や企業にアンケートをお願いし、いくつかの自治体・企業には直接お願いに上がった。このような中で、愛媛大学法文学部が地域社会で一定のステータスを持っていると同時に、その卒業生が様々な分野で活躍されていることを改めて実感した。 毎年私のゼミの卒業生に語っていることがある。千葉大学という地方国立大学出身の私自身、プライドを持ちつつも、時に引け目を感じることもあるが、むしろそのことが私自身を支えてくれる、と。愛媛大学法文学部の卒業生のみな様には、是非プライドをもって活躍されることを心より願っている。 われわれ法文学部は、その前の文理学部時代も含めて、連綿と教育研究を通じて社会に卒業生を送り出して来たこと、その卒業生がそれぞれの持ち場で活躍し、あるいは苦労し、あるいは様々な思いを持って生きてきたことに、改めて思いを致した次第である。法文学部の教育研究、地域貢献をさらに先へ繋ぐために、学部長として少しでも貢献できればと考えている。

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