愛媛大学法文学部 創立50周年記念誌
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115Ehime University Faculty of Law and Letters 50th 南海放送でも、ロシア人捕虜収容所の史実に基づいたラジオドラマ「ソローキンの見た桜」を日露戦争開戦100年の節目にあたる2004年に放送し、この作品は第一回の日本放送文化大賞ラジオ部門グランプリを受賞しました。 南海放送は、2018年10月に開局65年を迎えました。 この記念事業として、このラジオドラマ「ソローキンの見た桜」をテレビドラマ、劇場用映画としてリメイクしてテレビ放送、劇場公開をすることになりました。2018年は日本ロシア友好年に当たり、両国の交流を促進する事業の一つとして、注目を集めています。4.地域社会への貢献 地域の経済、社会、歴史、文化的なさまざまな課題を大学が学術的に研究し、その成果を実用的に活用することによって、地域の発展をさらに充実させる大きなエネルギーにすることもできます。大学からの情報発信と地域経済、文化、社会とのコラボレーションこそ、これからの大学の大きな役割と責任でもあります。そしてローカルメディアが、学術的成果を理解しやすいコンテンツとして広く公開、発信することによって、さらに新しい価値を生み出す可能性が広がってきます。 また、グローバルな日本の社会の深刻なテーマの一つが「高齢化」「少子化」と言われています。少子高齢化の波は地方の大学にとっても、大きな問題であり、一定量の学生を確保し続けることによって、継続的で円滑な大学経営、運営が可能になります。 そして民間企業にとっては、若々しく、有能で、クリエイティブな人材の継続的な確保、また夜間主コースや公開講座など大学による企業人への再教育、研修の機会は、企業の発展を力強く支える場でもあります。人材を育て、送り出す側と人材を受け入れる側との共通の課題について、お互いが協力し解決していく柔軟な対応が求められます。5.クリエイティブな人材 南海放送の社員数は現在112人です。そのうち愛媛大学卒業生は30人で、その割合は実に25パーセントという社内では最大の同窓ネットワークです。愛大出身OB、OGは番組ディレクター、営業、事業、技術など幅広い分野で活躍をしています。私たちローカルメディアにとって不可欠な人材であり、しかもそれぞれの分野での中心的な存在になりえる有能な、幅広い人材を輩出し続けていることが実証されています。 質の高い、豊かな学術研究を地域に還元するために、愛媛大学ではこれまで積極的な改革に取り組んできました。その愛媛大学の前向きの姿勢が学際の壁をできるだけ低くし、幅広い知識を吸収できる新しい法文学部を創り、クリエイティブでグローバルな人材を育てるシステムとしてスタートしました。 愛媛の地域社会、企業は50年という貴重な歴史を踏まえた新しい法文学部の成果と、そこで育つ若々しい元気な人材に大きな期待を寄せています。卒業生の営業部・藤原尚之さんラジオ制作部・月岡瞳さん

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