愛媛大学法文学部 創立50周年記念誌
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117Ehime University Faculty of Law and Letters 50th 地元企業の一経営者の立場から申しあげますと、当社は本年4月に持株会社体制に移行(株式会社伊予鉄グループへ社名変更)し、市駅前の活性化など次世代の地域に必要とされる「交通・観光・まちづくり」の総合企業グループとして新たなスタートを切りました。私自身も昭和43年工学部土木工学科の卒業生でありますが、当社におきましても現在20名の愛媛大学法文学部の卒業生(愛媛大学卒業生は35名)が各職場で活躍しております。 明治20年、当社は、小林信近翁の発起により創立され、「誠実・和・奉仕」を従業員の合言葉に、「安全で良質なサービス・商品を提供し、地域とともに歩み、ともに発展します」という経営理念のもと、地域とともにたゆまぬ発展を続けて参りました。小林は、初代県議会議長・国会議員を歴任するなど、政治家として活躍しただけでなく、林業や製紙、養蚕、電力など多方面の事業を興し、実業家としてもその名を馳せました。第五十二国立銀行(伊予銀行の前身)や伊予水力電気(現・四国電力)の創立をはじめ、松山商法会議所(現・松山商工会議所)の初代会頭を務めるなど、まさしく愛媛の経済発展の礎を築いた人物であります。平成30年9月には没後100年という節目を迎えましたが、平成28年10月に松山市駅前坊っちゃん広場に完成した顕彰碑が、まちの歴史をひも解く契機となり、ひいては、まちのにぎわい創出や観光拠点として地域の活性化につながることを願ってやみません。 このように、愛媛・松山の特性を貴重な地域資源として鑑み、深く掘り下げ、さらに磨きあげることも愛媛大学法文学部の大きな役割であります。例えば、現在進められている、地域の観光政策や四国遍路の研究などは素晴らしい取り組みであり、インバウンドを見据えたさらなる交流人口の拡大に大いに功を奏するものと期待します。今後は是非とも愛媛の活性化のため、当社はもとより県内企業において地域の発展を牽引する「人材」をより豊かに輩出いただくとともに、折々に有効な政策を提言いただきますようお願いいたします。 結びに、当会議所は、「『革新』と『連携』を成長の原動力に」を中期行動計画のスローガンに掲げております。これは、「産学連携によるイノベーションの誘発で企業と地域の持続的な発展を」という掛け声を意図したものでもあります。グローバル化や交流人口の拡大は、イノベーションを起こさなければ成し得ない事業ではありますが、愛媛大学法文学部と当会議所の連携が相乗効果を発揮する分野でもあります。つきましては、これまで以上に愛媛大学法文学部との結びつきを深めて参りたいと考えておりますので、ご理解とご協力をよろしくお願い申しあげます。記者会見する佐伯要松山商工会議所会頭松山市駅前坊っちゃん広場に完成した小林信近翁の顕彰碑(平成28年10月)

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