愛媛大学法文学部 創立50周年記念誌
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123Ehime University Faculty of Law and Letters 50thさげたい。」とのコメントも載せ、開学当初からの念願かなった関係者の喜びの反応を伝えました。 以降の節目も、「晴れてまず30人」(1979年2月)と法学科に新設される夜間主コースの推薦入学の結果を紹介したほか、文部省の国立大拡充による経済学科新設発表(1980年9月)や、総合政策学科・人文学科設置(1996年)なども報道。2004年4月に愛媛大学が独立行政法人の「国立大学法人」となった際には、「愛媛大は、文部科学省の一機関から独立の経営体となった。あらゆる分野で地域に存在感を示す大学を目指す」という学長の決意表明を掲載しています。また、教職員や学生の活躍にもスポットライトを当ててきました。 法文学部は2016年に、43年ぶりの新学部となる社会共創学部新設に伴い、人文社会学科1学科3履修コースで再スタートを切りました。 新法文学部は「生きた社会をつくる人間」を教育理念の一つとし「社会を成立させている諸制度について見識をもっており、社会の問題を鋭くとらえて、多くの人々が生き生きと暮らせる社会にむけて、自身の能力をもちいる人間です」と説明。もう一つの柱「生きた文化をつくる人間」は「人間存在にたいする洞察力をもち、人々のあいだに立って、多くの人々がもっと自由に分かり合えるように、自身の能力をもちいる人間です」としています。 それらは現在の社会が求める人材像と重なっています。愛媛新聞では近年、企業の採用担当者に、求める人材や就活生へのアドバイスを聞く「就職を志す君に」「シューカツNavi」などの連載記事を掲載しています。企業が求めているのは「地域貢献の意欲」「相手の立場で考える」「探求心がある」などの資質です。 愛媛大学は第3期中期計画(2016~2021年)で、現在約4割の地元就職率を5割以上にする目標を設定しています。愛媛大学の出身者は愛媛新聞社でも活躍しており、現在正社員の約5分の1を占めます。2018年度も1人を迎えることができました。 愛媛に住む私たちにとって、大きな課題が人口減少への対応です。 法文学部が創設された1968年の愛媛県の人口は、国の推計によると142万5千人。2018年5月は県推計で135万5千人と1968年比で7万人減少しています。2014年に学識者らで構成する日本創成会議の人口減少問題検討分科会が発表した全国市区町村別の2040年推計人口では、分科会が「将来消滅する可能性が高い」と定義する自治体は、県内20市町の65%に当たる13市町に上りました。全国平均を15%超も上回っています。 県や市町では地方創生総合戦略を策定して、少子化対策に取り組んでいます。そのような中、全学生の約4割を県内出身者が占め「地域から預かった学生を戦力として地域に帰す」を使命の一つとする愛媛大学の役割はますます大きくなっています。 50年続いた地域貢献の姿勢と時代の要請に応じた教育カリキュラムによって、未来の愛媛を支える「若い力」を地域、企業に送り出していただき、愛媛とともに愛媛大学、法文学部がさらに発展するよう期待しています。愛媛新聞も愛媛大学と法文学部はじめ各学部の活動を県民へ発信していきます。経済学科新設発表を伝える愛媛新聞記事(1980年9月5日付1面)

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