愛媛大学法文学部 創立50周年記念誌
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141Ehime University Faculty of Law and Letters 50th学に留めておくためには絶対必要な措置なのですが、かなり難しい面があるだろうと思います。特に理系学部と文系学部の教授昇格の年齢差というのは、非常に大きな問題です。理系学部は50歳を過ぎてからの昇格が当たり前で、文系学部は分野にもよりますけれども、かなり若くして昇格という分野もあります。全学に持っていったら風当たりが強く、こうした中で、他の理系学部からは、「法文学部は助教がおられないですね。助教だと、2人分採れますよ」と言われます。松本(司) 確かに。教授のポストを2つに割ってという……。なるほど。どうもありがとうございます。グローバルとローカル松本(司) 改組の時に、「法文学部はグローバル化ということをキーワードに改組しなさい」と言われました。元々法文学部は地域密着型の教育研究を進めていくということで運営してきましたが、「地域」というキーワードを新学部の社会共創学部に持って行かれました。大学全体でグローバル化が求められている島根大学正門たツケが今、一気に人件費にきています。幸いなことに、物価がさほど上昇せず、法人化後の一定期間、むしろ人件費が下っていきましたよね。結局、人件費支出の分が全然増えず、運営費交付金が削減されても何とか吸収できていました。それが、民間の給料が良くなったら、大学の執行部は嫌な顔をするという……。実際、私も役員会に参加していた時に、給料が上がるのに、学長は渋い顔をしていました。高津(鹿) 人事院勧告が出るか出ないかは、大学の財政にとって極めて重要な問題で、人事院勧告の内容如何で、勤勉手当が出せない状況にもなります。田坂(島) 今年の人事院勧告が出る時に、各学部に「大丈夫ですか」という問い合わせがあって、各学部から「大丈夫です」という回答があったので、全学も「じゃあ」ということでしたけれども、どこか1学部でもアウトとなると、多分止められただろうなと思います。この学部はOK、この学部はダメというわけにはいかないですよね。その辺りもあって、教・教分離で経費を自分の所で一括管理したいというのはありますね。話としてはどちらからが先に出たのか、学長の中でひらめいたのか、ちょっと分かりませんが……。 学部の事務としては、教・教分離というのがどういうことか、いろいろ意見があるにしても、ややこしい人件費の管理を大学に任せられるという点では、事務方はちょっと楽になっていいという思いはありますね。高津(鹿)  あと大きな問題としては、昇格人事の問題があります。優秀な先生を大

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