愛媛大学法文学部 創立50周年記念誌
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143Ehime University Faculty of Law and Letters 50th 島根大学史によると、1921(大正10)年4月に行われた松江高等学校第1回入学式で、初代校長の小松倍一先生が「山陰文化の中心たれ」と訓示したとありますが、今でも島根大学法文学部が目指すべき道ではないかと考えています。高津(鹿) 大学全体の中期計画を作る時に参画したことがありますが、鹿児島大学全体を見た時に困るのは、全国区志向とローカル志向のカラーが学部でかなり違うことです。例えば工学部は全国区という意識が強い。「なぜ鹿児島だけにとなるのか。工学部の学生は全国に就職している。鹿児島のために教育しているのではない」とおっしゃいます。それに対して、法文学部は地域に就職する学生をたくさん養成していますし、教育学部、農学部もそうですね。水産学部は全国区、医学部は半分半分です。したがって、学部によって全国区志向なのかローカル志向なのか、差があるので、大学全体をまとめるのはなかなか難しい点があると思います。 グローバルという側面では、法文学部は放っていてもローカルになってしまうので、むしろグローバルな努力をしないといけないという点があると思います。難しいとは思いますけれども、今後、若い先生を人事する際には、専門+英語ができるという人を採っていくと、大学としては強くなっていくのではないかと思います。自分の専門を英語で授業できるような人を採用していくことが重要になっていくと考えています。 大学院の方がグローバル化しやすいと思いますので、大学院で欧米系あるいはアジアの英語圏のマスター(修士課程)の入学生を受け入れ、英語だけの授業を行うということを考えて準備しています。英語で授業ができる教員を人事として増やしていくということが必要になるのではないでしょうか。加藤(愛) 愛媛大学は学長が第3期末までに県内就職率50%を打ち上げています。これはなかなか高い目標だろうと思います。法文学部は現在46%くらいですが、工学部などは低い。今回できた社会共創学部を先頭としながら、法文学部や教育学部などが地元へ貢献していかないといけないというのはあります。 一方で、グローバル化を見据えていくというところで、今、法文学部では年間100~150名程度が何らかの形で海外に出て行きます。短期あるいは長期に関わらず、海外を一度体験するということが大事だということで一所懸命取り組んで、予算も大学全体から取ってきたりもしています。これをさらに充実させていくということで、グローバル人材育成に向けた機運を高めていきたいということは一方であります。 大学院などのアンケートで「英語で授業をどのくらいしていますか」というの鹿児島大学学習交流プラザ前

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