愛媛大学法文学部 創立50周年記念誌
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45Ehime University Faculty of Law and Letters 50th2)四国遍路・世界の巡礼研究センターの設立 法文学部の改組に先立ち、2015(平成27)年4月、「法文学部附属四国遍路・世界の巡礼研究センター」が設立された。 愛媛大学では、法文学部と教育学部の教員によって2000(平成12)年に結成された愛媛大学「四国遍路と世界の巡礼」研究会が10年以上にわたって、四国遍路と世界の巡礼に関する学際的共同研究を行ってきた。折しも、四国では官民あげて「四国八十八箇所霊場と遍路道」の世界遺産登録への取り組みが推進されており、2014(平成26)年の四国霊場開創1200年はマスコミ等でも大きく取り上げられ、2015(平成27)年には新たに制定された日本遺産に四国遍路が認定された。このように四国遍路に対する社会の関心はきわめて高いものの、学術的な研究はあまり進んでいない現状を踏まえ、四国遍路と世界の巡礼研究を進め、四国遍路に対する社会の関心に応えるために、「法文学部附属四国遍路・世界の巡礼研究センター」が設立された。 同センターは、全国に類例のない唯一の研究拠点として、①四国遍路の古代から現代までの歴史的諸相を学際的に解明すること、②多様化しつつある現代遍路の実態を明らかにし、地域の活性化に向けての方策を探ること、③世界の巡礼との国際比較研究を行い、四国遍路の国際的特質を解明することを目的に研究活動を行っている。 研究活動によって得られた成果については、世界に向けて発信するとともに、「歩き遍路」授業などの教育にも活かしている。さらに、研究の成果を社会に還元し、四国遍路の世界遺産登録など地域貢献にも努めている36)。 同センター以外にも、本学には、法文学部が全面的に協力して設置された「愛媛大学地域創成研究センター」(社会連携推進機構に設置されている全学センター)、人文学科(現、人文社会学科)考古学教室を母胎として設置された「愛媛大学東アジア古代鉄文化研究センター」(先端研究・学術推進機構に設置されている全学センター)があり、特色のある先端的研究を推進している。3)グローバル人材の育成 法文学部では、グローバル化の進展著しい現代社会で活躍できる人材を輩出するために、現代社会の複雑化した諸課題を解決へと導く能力を持ったグローバル人材を育成すべく、「①外国語のコミュニケーション能力の涵養」、「②日本文化の理解及び国際社会における日本の位置の理解の促進」、「③海外インターンシップなど海外の体験

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