愛媛大学法文学部 創立50周年記念誌
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64第2部 法文学部の思い出 卒業生の声二人のゼミの先生1993(平成5)年 経済学科卒 八束 誠二 愛媛大学(愛大)1回生から4回生までいろいろな思い出があるのですが、今回は3回生から始まるゼミの事を書こうと思います。 3回生の最初にゼミを決めるのですが、私は農業経済の立岩寿一先生のゼミに決めました。なぜ立岩先生のゼミに決めたかといいますと、先生のゼミしか空いていなかったからです(先生、すみません!)。 ゼミを決める当日、私が学校に行くとほとんどのゼミは定員になっており(たぶん私が遅刻したのだと思います)、途方に暮れながら廊下を歩いておりました。そうしたらドアが開いている部屋があり、ちらっと中をのぞいたら2~3人しか学生がおりませんでした。「ここしかない」と思い、先生に「まだ大丈夫でしょうか?」とお願いしたところ、「はい!」とゼミに入れていただきました。 先生のことを知っていくうちに、いろいろな発見がありました。私の近所に住んでおられた岩村先生の後任で愛大に赴任なさったこと、また私の親戚にも農業経済の研究をしていた人がいたことなどです。 ゼミでは佐伯尚美先生の『ガットと日本農業』を読んでみんなで議論していきました。それと並行して外書講読もやっていきました。本の内容に関してはあまり覚えていないのですが、外書講読の時間に急にゼミの友人が「英語は日常会話が話せたらいいんで、高校の英語の勉強は必要ない」というようなことを発言しました。この意見に関してみんながいろいろなことを言っていたのですが、先生が「君たちは英会話ができるのは当たり前で、それから先に海外の英語で書かれた論文をちゃんと理解できる英語力を身に付けないといけない。その為にも高校で英語をちゃんと勉強しないといけない」とおっしゃいました。高校の時に英語の先生が「英語は日本語に訳さないで、英語のまま理解したほうがいい」と教えてくださったのと、この立岩先生のお答えは、深く感動し今でも心に残っております。立岩ゼミの九州旅行(上)1991年10月27日、左から2人目が筆者(下)1991年10月29日、前列左から3人目が筆者

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