78第2部 法文学部の思い出 卒業生の声私の学生時代と法文学部への思い2008(平成20)年 総合政策学科卒 森藤 加奈子 この度は、愛媛大学法文学部創立50周年、誠におめでとうございます。 私が愛媛大学に入学したのは、今から約14年前、2004(平成16)年のことでした。私は夜間主コースだったので、平日の昼間と日曜日はドラッグストアでアルバイトをして、平日の夜と土曜日は大学で勉強するという毎日を過ごしていました。高校までは自分の得意でない分野の数学や化学の授業もありましたが、大学では興味のある分野の法律や政治などの学習ができて、学ぶことの楽しさを感じることができていました。また、教職の免許を取得するため、昼の講義もアルバイトの兼ね合いを考えつつ、曜日や時間を集中してスケジュールに組み込んでいました。講義が終わった後は、友人と映画を観に行ったり、夜遅くまでおしゃべりを楽しみました。春休みには友人と海外旅行に行ったこともありました。 3回生の秋からは就職活動が始まりました。2018(平成30)年の大卒就職率98%との発表がありましたが、私が就職活動を始めた当時も、団塊の世代の大量退職が話題になった頃で、私の一つ上の世代と次の世代までの3年間の就職率は高いと言われていました。そのような恵まれた状況の中、3回生の冬には内々定をいただき、就職先も、必要な単位の取得もほぼ終わりました。 転機となったのは、成績表を受け取るため、指導教授の研究室を訪れたときでした。単位の取得もでき、就職先も決まったことを報告すると、「銀行は受けないの?」と質問されました。私は思いもかけぬ質問に「え?」と固まってしまいました。銀行は数字が得意な理系の人が就職する先だというイメージを持っており、自分は全く対象外だと思っていたからです。指導教授から、銀行はむしろ文系の学部出身の人が多く、法文学部からも銀行に多くの卒業生が就職していること、私のこれまでの発言などを振り返って決して数字に弱いわけではない印象であることを伝えられました。帰宅した私は「銀行といったら愛媛銀行だろう」と一番自宅の近所にある銀行を思い浮かべ、就活サイトでエントリーをしました。 4回生の初夏には愛媛銀行の内定をいただきました。先に内々定をいただいていた企業とどちらを選ぶか迷いました。親や、親戚、当時のアルバイト先の店長や年上の方々に相談しました。結局、私は愛媛銀行を選びました。自分の将来設計のこと、長く続けられるかなどが決め手だったと思います。振り返ると、あの時の指導教授の言葉がなければ私は就職活動を続けることもなく、愛媛銀行に就職することもありませんでした。そして、仕事を通じて知り合った方たちとの出会いもありませんでした。重要な人生のターニングポイントでアドバイスをいただいた指導教授にとても感謝しています。 就職してからも勉強は続きました。銀行員として必要な基礎知識に関する検定試験や、金融商品の取扱い資格の試験など、1年目の頃は
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