愛媛大学法文学部 創立50周年記念誌
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91Ehime University Faculty of Law and Letters 50thて国民への透明性の確保と社会貢献の増大をはかる,研究成果が原則国立大学法人に帰属し地域再生や新産業創出のために知的財産を戦略的にマネジメントできるなどを内容とするもので6年ごとの中期目標・計画の評価を受けることになった。 愛媛大学では学生サービス向上と定員削減に対応した事務一元化によって図書館の改装,アドミッションセンターやインフォメーションセンター(i愛センター)の新設などの組織改編などのほか,愛媛大学憲章の制定や学生の編集による『愛U』の創刊などの新機軸を打ち出す取り組みがあった。小松正幸学長(任期:2003年3月1日〜2009年3月31日)や柳澤康信学長(任期:2009年4月1日〜2015年3月31日)の在任期間にあたる。記念講堂の南加記念ホールへの改装,第3体育館の新設,キャンパスプロムナードの整備などは創立60年事業の一環であった。 教養部の廃止や総合政策学科の改組で喧喧諤諤の議論が進行していた頃からであろうか,キャンパス内を闊歩する白い動物が見られるようになった。キャンパス内で生まれ育った犬「はなちゃん」である。朝晩の通勤時に第1体育館前で見かけるようになり知り合いになった。キャンパス内で生を受けてから学生たちにずいぶんいじられたらしく人間不信で懐くことを知らない犬だったが,朝晩の定時に口笛を吹くといつも逢ってくれるようになった。はなちゃんにとってはいつもチーズをくれるおじさんだったろう。キャンパス周辺のとある肉屋さんに日参しているとか松山大学にも出入りしているとかの噂も入りはじめた。そうこうしているうちに,狂犬病注射をしてくれたり虫下しの薬やドッグフードを差し入れてくれるはなちゃんサポーター(教職員・学生)ができた。なかでも職員のTさんは朝晩はなちゃん用食事を持参し,はなちゃんとの食事会も始まった。家も必要だということから段ボール製の邸宅を法文前に建て,ようやくはなちゃんの定住地も決まった(犬嫌いの教職員・学生から「野良犬が大学にいる」という「苦情」が少なからずあったことを知っている)。図書館職員のMさんは,はなちゃんを図書館広報部長に任命してくれた。 2007年2月からブログ(http://d.hatena.ne.jp/akamac/)を始めていた筆者は7月から「大学犬はなちゃんの日常」を綴ったところ,わざわざ遠方から来てくれる人や愛媛大学を会場とした学会時に立ち寄ってくれる人,はなちゃんに逢いに母校に寄ってくれる卒業生などがあらわれるようになった。なかでも『読売新聞』は「犬のはなちゃん 愛大の“学長”」と全国版で報じてくれた(2010年8月26日付夕刊,同27日付朝刊)。この前後には地元の『愛媛新聞』やテレビ朝日(eat),南海放送テレビ(RNB)のほか『週刊新潮』でも取り上げられた。そのはなちゃんは2010年11月に「眼振」に見舞われ,頭をふりながら歩くのがようやくの状態になった。さきのTさんは、はなちゃんを自宅に引き取り,4年以上も看病し,2015年1月の最期まで看取ってくれた。 筆者の法文学部在職は期せずしてはなちゃんのキャンパス生活と重なった。はなちゃんの目に法文学部の変化はどう映っていたのだろうか。ゼミ写真におさまるはなちゃん(2005年11月)草むらで涼むはなちゃん(2008年5月)はなちゃんのもっとも古い写真(2002年4月〜5月頃)

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