コロナ禍の学生調査・研究成果発表サイトが公開されました(青木理奈、鈴木靜、福井秀樹、小佐井良太(福岡大学法学部)、石坂晋哉、太田響子、池貞姫、十河宏行、中川未来)
コロナ禍の学生調査・研究成果発表サイト
https://covid19survey.ll.ehime-u.ac.jp/index.php
われわれの社会にとって深刻かつ長期にわたる未曾有の災厄となった新型コロナウィルスの感染蔓延は、大学生にどのような影響をもたらしたのだろうか。このような問題関心のもと、コロナ禍における法文学部生の被災の実態を明らかにし、その記録を収集・保存することを目的としたプロジェクトが、新型コロナウィルス感染症緊急事態宣言が初めて出された2020年に愛媛大学法文学部の教員有志によって立ち上げられました。これまで、愛媛大学教育改革促進事業、および、法文学部戦略経費による助成を受けながら、主に法文学部生を対象としたアンケート調査、体験や思いをまとめた手記の収集、座談会での聞き取り調査などを継続的に実施し、その結果を大学の紀要に発表してきました。
2020年春にコロナ禍の中で入学した大学1年生が卒業する年度となる2023年度で、本プロジェクトはいったん区切りとなりました。これまで継続的に大学の紀要に掲載してきた多くの研究成果を一か所に集めて公表し、来たる将来の災害に役立てるべく後世に残していくため、この度、新たにウェブサイトが公開されました。
本ウェブサイトで公開されている研究成果では、学生たちの学修面での影響・変化のみならず、生活面やメンタル面、就職活動や将来に向けての考えなど、なるべく細やかかつ多角的にデータを収集することを目指しました。また、メインとなる法文学部生へのアンケート調査、手記の収集、座談会報告のみならず、アメリカのスタンフォード大学学生との座談会や、留学生に特化したアンケート調査、学生の社会活動をテーマとした講演会報告などの多岐にわたる試みについても、その内容を公開しています。
今回の新型コロナウィルス感染蔓延は、教育現場にも深刻かつ長期にわたる影響をもたらしました。愛媛大学でも、感染状況にあわせて教育提供体制に変更を迫られ、教職員も一人一人がとまどいながら多くの対応を行ってきました。このような長期化する非常事態に際しての、法文学部学生の学修上・生活上の実態や学部の対応等についての継続的な記録を蓄積・公開することで、いずれ発生すると予測されている南海トラフ大地震等の大規模災害の際の、学部運営、学生支援、教育提供体制の検討にも寄与することを願っています。