2026年度日本公共政策学会賞(著作賞)を受賞しました(福井秀樹)

Fukui, H. (2025). Aviation Policies: Studies of Unintended Effects and Consequences. Springer.
DOI: https://doi.org/10.1007/978-981-96-7303-2
XII, 516 p. 176 illus., 1 illus. in color.
サポートサイト: https://sites.google.com/view/aviation-policies/

 このたび、拙著 Aviation Policies: Studies of Unintended Effects and Consequences(Springer, 2025)により、2026年度日本公共政策学会賞(著作賞)を賜りました。日本公共政策学会ならびに選考委員の先生方に、心より御礼申し上げます。
 本書は、航空政策を題材として、政策が当初意図した効果だけでなく、しばしば見落とされがちな「意図しない効果」や副次的帰結を実証的に検証した研究書です。発着枠取引、発着枠制約、航空機燃料税、空港地上走行管理、米国のターマック遅延規則などを対象に、主として米国航空市場のミクロ・データを用いながら、制度設計と航空会社の戦略的行動との相互作用を分析しました。
 本書で特に重視したのは、政策分析・評価の役割は、政策が目指した効果を測定することにとどまらない、という点です。政策は、理論的には望ましい設計であっても、実際には人や組織の行動と相互作用しながら、当初想定されなかった結果をもたらすことがあります。そのため、政策評価には、見過ごされてきた副作用を明らかにし、政策をめぐる問いを立て直す「問題提起機能」も求められると考えています。
 また、本書では、操作変数法、差の差分析、傾向スコア・マッチング、重み付け、分位点回帰、モンテカルロ・シミュレーションなど、多様な計量手法を用いています。個別政策の効果だけでなく、実証手法の有効性や限界についても検討し、観察データを用いた公共政策評価一般にも示唆を与えることを目指しました。
 本書の執筆にあたっては、国内外の研究者、実務家、行政関係者の皆様から多くのご助言とご支援をいただきました。この場をお借りして深く感謝申し上げます。本書が、航空政策の分析・評価のみならず、公共政策における証拠の役割や、制度設計と人・組織の行動との関係を考える一助となれば幸いです。

写真:著書表紙

写真:賞状

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