た行

張 新妍講師

ちょう しんけん / ZHANG Xinyan

, ,

専門分野:民法

メッセージを見る

教員からのメッセージ
 家族法は、民法の一部として、婚姻、親子、養子縁組、相続といった、人々の最も私的で根源的な関係を規律する法分野です。しかしながら、この分野の魅力は、条文の解釈や制度の枠組みを学ぶことにとどまりません。家族法は、その時代の社会の価値観や家族の在り方を映し出す「鏡」のような存在だからです。平均寿命の伸長、非婚化・晩婚化の進行、国際結婚の増加、そして事実婚や同性カップルといった多様な生活様式の広がりは、従来の「標準的な家族モデル」を大きく揺さぶっています。この変化の波は、家族法の世界に常に新しい問いを投げかけてきます。この「変わりゆく家族像と、それに対する法の応答」を探求することが家族法を勉強することの醍醐味です。
 日中両国は共に家族を重んじる文化的基盤を持ちながらも、法制度の形成や社会の変化への対応の仕方には興味深い違いがあります。家族法の比較研究を通じても、法制度の背後にある社会構造や人々の意識を読み解くことができる点に、家族法研究の奥深さが感じられます。
家族法を学ぶことは、突き詰めて言えば、自分自身の人生や、身近な人との関係について深く考えることでもあります。皆さんには、「もし自分が当事者だったら?」という想像力を働かせながら、社会の現実と法の理想のギャップを埋める力を養ってほしいと願っています。具体的な裁判例や、社会で話題になっているトピックを取り上げながら、「法とは何のためにあるのか」「家族とは何なのか」を共に深く考え、議論する機会を大切にしたいと考えております。

寺尾 勝行准教授

てらお かつゆき / TERAO Katsuyuki

,

専門分野:英米文学

メッセージを見る

教員からのメッセージ
 インターネットが空気のように当たり前のものとなり,iPodなどの携帯プレーヤーによってそのネット上の音声・画像ファイルをハンカチかチリガミのように気軽に持ち運べるようになった現在,生の英語に接する機会や,接することのできる素材の種類は二昔とは(と言わず,一昔と比べてさえ)比較にならないくらい充実・拡大しています。外国語(英語)習得のためにこれを利用しない手はありません。
 ただし単なる会話の偏重では思わぬ落とし穴が待っています。おしゃべりは楽しそうにかわしていたのに,中身のある話となると全く通じていなかった,では困ります。大学生ならぜひとも,読み・書く力を,聞き・話す力と並行させて身につけ,より深い部分での価値観や感動の共有なり,意見の交換を行いたいものです。
 そのために文学作品を通して英語を学ぶ,あるいは英語という言葉を通して文学にアプローチするということを勧めたいと思います。文学作品の英語の特徴の一つは何と言ってもその種類の豊かさです。取り扱われる話題(テーマ)が哲学,政治,経済,歴史から日常生活の機微,さらには推理小説,SF,ファンタジーに到るまで多様であり,またスタイル(文体)もそれに応じて思索的なもの,(いわゆる)論理的なもの,事務的なもの,エッセイ的なもの,情感豊かなもの・・・等々バラエティに富んでいます。あなたはそれらの英語に触れることを通して,単にビジネス英語やニュース英語を通してのみ得られるものよりはるかに広く,多様な世界のあり方(そして世界の感じとり方)を実感することができるでしょう。そしてよりありがたいことに,そのような体験を重ねていく中で,言葉そのものに対する感覚が磨かれてゆくことでしょう。
 多くの人が言葉を鍛え,言葉を通して思索を深め,また,他者との実り豊かなつながりを築く能力を自らの中に育て上げることを願って止みません。