な行

中川 未来講師

なかがわ みらい / NAKAGAWA Mirai

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専門分野:日本史

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教員からのメッセージ
 この頁に目を通しているあなたは,多かれ少なかれ歴史に関心を抱いていると思います。それでは,あなたはどのようなきっかけで歴史に興味を持ちましたか? 魅力的な歴史的個性への関心,あるいは現在とは異質な過去の社会に対する好奇心,はたまた現代社会への疑問を過去にさかのぼり探求したいという意欲……。その他どのような経緯であれ,またどのような価値観に基づくにせよ,あなたはその興味を歴史学という方法を用いて掘り下げることができます。歴史学(ここでは日本史学)は,あなたの問題関心を広く受けとめうる「ゆるやかでソフトな学問」なのです。
 もちろん日本史学が経験科学である以上,何を主張してもいいわけではありません。まずあなたの主張は,誰もが参照しうる史料に基づいている必要があります(事実立脚性)。さらにそれは,誰にでも理解できる筋道だった主張であることが必要です(論理整合性)。この2つのルールさえ守るならば,あなたの前には汲み尽くせない知の海がひらけるはずです。
 確かに歴史学は,ひたすら史料を読むというある意味「辛気くさい」学問です。しかしあなたに内在する問題を見いだし,課題を設定し,史料を読みこみそれを根拠づけていく作業のなかで,1つの事実にも様々な見方が存在し,それを意味づける価値観もまた多様であることが理解されていくと思います。歴史学の学びは,異なる多様な価値を認め,開かれた議論を行う能力を身につける絶好の機会となるでしょう。
 ただし,教員があなたに課題を与えることはできません。自分のなかにある問題を掴み出し,自身で史料の海を泳いで下さい。もちろん泳ぎ方は教えますし,海図や救命浮き輪も与えます。声援も惜しみません。過去との対話を通してあなた自身を見いだして下さい。

中筋 朋講師

なかすじ とも / NAKASUJI Tomo

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専門分野:表現文化論

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教員からのメッセージ
 みなさんは演劇を見にいかれたことはあるでしょうか。映画に行くことはあっても,お芝居を見にいくことはあまりないかもしれません。日本では,劇場という場所が,行き慣れていないと少し敷居が高く感じられるからでしょうか。あるいは,特殊効果も場面転換も自由自在な映画のほうが楽しいと思われてのことかもしれません。けれども,その場に生身の人間がいて,同じ空間を共有しているということのインパクトはとても大きなものです。生身のからだと対峙することができるのは,さまざまな芸術のなかで演劇やダンスといった舞台芸術の特権だと言えるでしょう。
 現代演劇では,この生のからだと向きあう体験自体が生みだすドラマを軸にした舞台づくりが数多くなされています。そこでは,ドラマを生みだすことのできるような独特の強度をもったからだとはどのようなものなのかが重要になっています。演技のためのトレーニングは劇団や指導する演出家によって千差万別ですが,そうは言っても,たいていの場合にからだづくりの基盤になるのが「脱力する」ということです。ただし,脱力する――リラックスするということは,ただ「だらっとする」ことではありません。からだがリラックスした状態とは,からだに余計な力が入っておらず,そのおかげでそれぞれの場面に応じて必要な動きがすぐにできる状態です。自分の内側の状態にも,外側からの刺激にもアンテナをはりめぐらせていて,それでいて神経質になっているのではなく,落ち着いた状態です。からだの感受性が高まっている状態と言うこともできるでしょうか。
 このようなからだの状態を知り,身につけておくことは,演劇をするためだけではなく,日常においてもとてもプラスになります。みなさんは大学に入ると,たくさんの人に出会う機会があると思います。それぞれに,さまざまな考えや興味をもった人たちです。リラックスして人と向き合うことで,自分とはちがう考えや興味をスムーズに共有することができます。さまざまな考えを知ること,ちがいを受けいれること,そこから変化すること――それは人生の手ざわりを生みだし,これからさまざまな局面で支えになってくれるものです。

中西 泰造准教授

なかにし たいぞう / NAKANISHI Taizo

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専門分野:経済政策

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教員からのメッセージ
 ゼミをやるときに,こんなメッセージを聞いてもらっています。
 震災と原発事故で傷ついた社会にあって,私たちはどのようにして自分たちの未来を…未来があればですが…なんとか切り開いていくことができるのでしょうか。集団的自衛権の行使容認を始め,海外で戦争をするための準備がどんどん進んでいます。憲法はただの紙切れになりかかっており,戦後これまでも,政府にとっては紙切れ扱いでしかなかったことが明らかにされています。
 自分はどうにかしたいと思っていることがあれば言ってみましょう。人の話を真剣に聞いてみましょう。あるテーマをしぼって学ぶ仲間をつくり,真摯に現実に向き合って,自分の考えを練りあげましょう。学ぶ仲間を作って相互に支えあうのがゼミナールです。楽しいことばかりじゃないですが,がんばってやりましょう。

【OBからのメッセージ】社会にでて働きだして丸3年が過ぎました。仕事にはやりがいを感じており日々頑張って過ごしております。でも,やっぱりほっとする時は家に帰ったときです。家族の笑顔を見るたびに幸せを感じます。でも現在の日本の国会をみてみると,そんな家族の笑顔がいずれ失われるんじゃないかと不安になるような法案が次々と飛び出しています。世の中には本音と建前があります。今目の前にある現実が過去の教訓が生かされ,未来に何を残すのか,それをしっかり見定めることが必要な時代となりました。
 私たちのゼミでは,そんな社会問題に目を向け,人生の軸となる考え方を仲間と見つけることができました。皆さんも,これなんか違和感あるな,納得いかねーというちょっとした疑問を大事にして学びの芽を育てていってください。共に頑張って生きていきましょう。

【お願い】ゼミの中で困っている人がいればいろいろ相談して助け合ってください。いじめをしたりされたり,いやがらせをしたりされたりしたらいかんよ。何かいいことをしてもらったら感謝してみてください。勉強がうまくいかないようなら,皆で知恵を出し合ってなんとかなるようにしてください。不器用でもこつこつやる姿勢を評価してください。勉強に時間をかけてください。自分のいたらなさにも忍耐しながら,こつこつやっていきましょう。

中根 隆行教授

なかね たかゆき / NAKANE Takayuki

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専門分野:日本文学

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教員からのメッセージ
 「文学」というと,みなさんは何か堅苦しい印象をもつかもしれません。ライトノベルやケータイ小説ではない,単なる「小説」も同じようなイメージではないかと思います。しかし,「文学」や「小説」に否定的なイメージをもっている人は,たいてい文学や小説をあまり読んだことがない人です。では「文学研究」といえばどうでしょうか。それを専門にしている私とは逆に,読書感想文を書いているかのような印象を受ける人が多いのではないでしょうか。たった漢字2字であっても,別の言葉が付け加わることによって,言葉にはさまざまなイメージの偏差が生じるものです。
 近代日本における文学概念も,それをどう捉えるかによってさまざまな考え方が生まれてきました。文学は政治運動の手段だという人もいれば,いや高尚な言語芸術であるという人もいました。あるいは今日のマンガやテレビドラマのようなものと言われたり,ときには知的なライフ・スタイルの教科書となるような存在でもありました。それを主張する人はもとより,時代や場所が少し異なるだけでも,言葉のイメージは変化します。1篇の小説に限っても,それがおもしろければおもしろいほど,そこには幾通りもの解釈が成り立ちます。文学テクストを丹念に読み,そこに刻まれた文化表象の断片に出会うことで,みなさんの文学に関するイメージも多様に変化するはずです。

中原 ゆかり教授

なかはら ゆかり / NAKAHARA Yukari

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専門分野:文化人類学

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教員からのメッセージ
 皆さんは文化人類学というとどんなイメージがありますか?どこか遠くのしらない土地へ出かけ,先住民たちの家を訪れ,素朴な手作りの道具で調理したものを食べる・・・そんなテレビでみたことのある光景を思い浮かべるのではないでしょうか。人類学では長い間,西洋化以前の先住民の土着文化への懐古,あるいは消えつつある東洋的異国情緒の復元といった視線で文化が語られてきました。こういった西洋中心の評価に皆さんは疑問を感じることでしょう。現在の人類学では,語り手のポジションから生まれる制約を充分認識することを大前提とするようになりました。また研究対象も,以前「未開」とされていた地域の文化や社会変化のみならず,様々な地域の大衆文化も扱っています。例えば,ファッション,食物,大衆演劇,音楽,巡礼等です。
 入学してから4年間,大学生活の中で様々な経験をすることと思います。そういったことも含めて自文化を客体化し,楽しみながら勉強していきましょう。

楢林 建司教授

ならばやし たけし / NARABAYASHI Takeshi

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専門分野:国際法

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教員からのメッセージ
 新たに生まれ変わった法文学部は,グローカル・マインドを備えた「グローバル人材」の育成を教育の理念として掲げています。そうした理念に対して,私はインターナショナル(国際的ないしは「国家間的」)な視点から貢献してゆきたいと思っています。
 例えば,日本は,世界に展開しているPKOに対し,さまざまな人的貢献,財政的貢献,知的貢献を行っています。なぜなのでしょうか。道義的な思いからでしょうか。権益や発言権を確保するためでしょうか。もちろんそうした動機や思惑はあるでしょう。しかし,内戦などで政府機能が崩壊した国に,日本がPKOなどを通して関わるのは,今なお世界平和の基盤をなしている主権国家秩序の崩壊を防ぐためだと,私は考えています。そして,このことは,日本の平和と繁栄のためにも不可欠だと考えます。
 たしかに,主権国家秩序の実相は,歴史の歩みとともに変わります。遠い将来には,世界連邦が出現するかも知れません。主権国家体制をいちはやく打ち立てたヨーロッパは,現在,さまざまな紆余曲折を経ながらも,1つになろうとしています。ただしこれは,あくまで主権国家秩序が段階を踏んで変化したものであって,その崩壊ではありません。世界には,シリア,イラク,アフガニスタン,ソマリア,南スーダンなどをはじめ,まだまだ安定した国をつくりえていない「国」が少なくありません。こうした「国」を安定させるため,我々は何をなすべきなのか,何をなしうるのか,何をしたらいけないのか,考えましょう。
 また,私は法文学部の一教員として,学生のみなさんに,時間や空間を越えて他者を理解する「共感力」と,具体的な課題を発見ないしは設定し,それに他者と協力して取り組む「実行力」を身につけてもらうため,微力を尽くしたいと思っています。大学という場をベースに,前向きの人間関係を広くつくってゆきましょう。

新関 剛史講師

にいぜき たけし / NIIZEKI Takeshi

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専門分野:マクロ経済学

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教員からのメッセージ
 日本はこれまでに幾度となく不況を経験してきましたが,その度に政府は大規模な経済政策を打ち出し,景気の下支えに努めてきました。経済政策には大きく分けると財政政策と金融政策があります。財政政策とは政府が公共事業等を積極的に行う政策のことであり,金融政策とは中央銀行である日本銀行が世の中に出回っているお金の量(貨幣供給量)を増やすこと等によって,民間経済を刺激する政策のことです。では,なぜこのような経済政策を行うことで,政府は景気を回復させることができると考えているのでしょうか。
 財政政策は建設業者に公共事業を発注し,橋や道路を建設するわけですから,建設業者の所得が増え,ひいては消費も増えることから,何となく景気にはプラスの効果がありそうです。また,高速道路等のインフラ整備を行うことで,民間セクターの生産性が上がる効果も期待できそうです。しかしながら,財政政策を行うためには財源が必要です。これは,一般的に増税か国債の発行(つまり,借金をする)で賄うしかありませんが,増税や新たな借金は現在の経済状態にマイナスの影響を与える心配があります。こういったマイナス面を考慮した後でも,財政政策は効果があるのでしょうか。また,金融政策に至っては,そもそも世の中に出回るお金の量が増えると,なぜ景気が良くなると考えられているのでしょうか。
 このように,経済政策ではどのような理論的なメカニズムが想定されているのか,またその理論がどの程度データによってサポートされているのか(どの程度理論によって予想されている経済効果が実際に出ているのか)等を考えていくのがマクロ経済学の中でも最重要トピックの一つであり,今でも世界中で精力的に研究がなされている分野です。マクロ経済学1・2の講義を通じて,このような経済政策の面白さをお伝えできればと思います。

西 耕生教授

にし こうせい / NISHI Kosei

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専門分野:日本文学

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教員からのメッセージ
 “百聞は一見に如かず”とは古典にかんしても真理である。

 僕は顕微鏡を使ってはならない
 (自分でひとつのプレパラートになって)
 僕は望遠鏡を使ってはならない
 (自分の脚で距離を消し)
 僕は只生まれたての眼だけで見よう
 〔谷川俊太郎『十八歳』東京書籍(集英社文庫所収)〕

 重宝すべき「鏡」がそなわる現在だからこそ,それらを使いこなすことのできる「眼」や「手」や「頭」をもつよう心がけること。例えばカメラの「レンズは,裸眼では見ることのできない物を見えるようにし,私たちに現実を小さく見せる可能性を与えます。(ルイジ・ギッリ『写真講義』みすず書房,93頁)」そのように,文学の言葉は,ふだんさわることのできないものをさわれるようにし,私たちに現実を異なる角度からとらえる可能性を与える地平へと導いてくれるのではないだろうか。文学の魅力のひとつには,この〝ことばを〈介して〉さわる〟ということがあるように思われる。〝自分を忘れる〟――「決まりごとや,前もって細かく決められた見取り図を持たずに出発し,型に嵌らない柔軟な方法で(前掲書18頁)」言葉が築きあげる世界に分け入っていこう。

野上 さなみ准教授

のがみ さなみ / NOGAMI Sanami

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専門分野:ドイツ言語文化

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教員からのメッセージ
 私の専門研究分野は一般言語学とドイツ語学です。大学に入学した頃にギリシャ語の先生から「英語と違ってドイツ語には目立った形の進行形がありません」と聴いてドイツ語に興味が湧きました。さらに,ドイツ語の日常会話で過去の出来事を表現するには「過去形」ではなく「現在完了形」を使うことが普通になっています。同じシチュエーションを認識し,それを言語で表現しようとする場合でも,各言語によって重点の置き所が異なったり,逆に特定のポイントをなるべく目立たないように表現しようとしたり,といった「傾向の違い」があります。その結果,ある言語には特定の表現形式があるのに,別の言語はその形式を持たないということが起こるのです。このように言語の間にある傾向の違いを研究する分野として「対照言語学」や「言語類型学」が挙げられます。私はドイツ語とその他のヨーロッパの言語を中心としたこの二分野に特に力を入れて研究を行っています。
 ドイツで生活するうちに,自己の存在をきちんと認めてもらうためには,自分の考えていることを「はっきりとわかりやすく,自信をもって」発話しなければならない,ということを学びました。どちらかというとおとなしいタイプだった私にとって,この「技」を身につけるのは大変難しいことでした。しかし慣れてしまえば,なんだか別の人間がもう1人いるような気分になることもしばしばありました。ことばの存在が大前提となる分野を専攻する皆さんには,学生時代にぜひともできるだけ数多くの言語に接することをお勧めしたいと思います。別の言語に触れることは,自分の中に眠っている別の側面を発見し,活性化させるチャンスでもあります。

野崎 賢也准教授

のざき けんや / NOZAKI Kenya

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専門分野:社会学

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教員からのメッセージ
 食と社会や環境の関係を研究しています。食べものが作り出される自然環境・生態系や地域社会と,食べものの消費は相互に影響しています。ここ数年,日本でもやっと話題になり始めましたが,クロマグロやウナギなど,絶滅が危惧されている水産物の大半を消費しているのは日本です。このままではダメなのは明らかなのに,自分でブレーキをかけて止められないまま,行きつくところ(=絶滅)まで行ってしまいそうな,食べ尽くしそうな勢いです。
 食の安全についても同様で,日本社会は一面では食の安全にとても厳しいですが(食べものの外見や異物混入など),他方では世界的に安全性が危惧されている食品添加物や化学物質(人工甘味料やトランス脂肪酸など)は規制も進まず,身近に氾濫しています。日本社会は,食べものによって深刻な健康被害を引き起こした水俣病等の公害や森永ヒ素ミルク事件などを経験したはずですが,その反省がいかされていると思えません。授業で水俣病のことを取り上げると,多くの学生はその名称を知っているだけで,水俣病が認められるまでに長い時間がかかって被害が拡大したことも知らないし,それが遠い過去の出来事だとイメージしていて,いまでも救済されていない被害者が多いことも知りません。「臭いものにフタ」という言葉があるように,都合の悪いことを直視せず,途中で止められず行きつくところまでいってしまうのは,食べもの以外にも日本社会にはたくさんの事例があると思います(「戦争」もそうでした)。テレビや新聞などのマスメディアやジャーナリズム,そしてアカデミズムのあり方も関係があるでしょう。
 食と健康の問題では,しばらく前から肥満と貧困の関係も知られるようになりました。世界の「飢餓人口」は8億人,その一方で「肥満人口」は数年前に20億人を超えたと推計されています。しかし,これは世界が豊かになったからだと単純には言えず,飢餓も肥満もどちらも「貧困」が関係しています。先進国でも途上国でも,貧困層で肥満が増加していて,これは社会の「格差」と関係があります。日本も貧困が社会問題とみなされるようになり,特に「子どもの貧困」が懸念されています。
 食に関わる様々な社会問題を,フィールドワークや実践活動も交えて学んでもらいたいと思っています。