埋蔵文化財調査室・ミュージアム・東アジア古代鉄文化研究センター

田﨑 博之教授

たさき ひろゆき / TASAKI Hiroyuki

専門分野:考古学

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教員からのメッセージ
 大学に入学したときは,東洋史か地理学を勉強したく思っていましたが,友人に誘われ発掘調査に生まれてはじめて参加し,自ら掘り出すことできた遺物や遺構,現場が終わった後のビールのうまさに惹かれて,考古学を志望。発掘調査で出土する資料や,発掘という体験で得られたインスピレーションはそのままでは多様で混沌とした状態ですが,その中から一貫した体系を組み立てていくことで人間社会を研究・復元できることに興味をもちました。
 現在の研究のメインテーマは,日本列島・朝鮮半島・中国大陸を含めた東アジアの農耕社会の研究。最近は,焼かれている途中に壊れて捨てられた土器を素材に,分業という集落や地域間の協同関係から社会構造を追求しています。また,発掘調査を通じて考えたのは,人間の社会が環境とともにあるのなら,遺跡が営まれた当時の地形や植生などの土地環境を含めて研究する必要があること。演劇にたとえるなら,遺物は小道具,遺構や遺跡は大道具,そして土地環境は舞台装置。その中で役者の様々な動きが見えてきます。どのように人間が土地環境を利用し開発していくかを,集落遺跡や水田遺跡の分析から考えるため,沖縄西表島や韓国・中国での調査に出かけています。
 以上は自己紹介ですが,考古学では,こうした自らの生の経験をベースとしながら,多様な課題を設定し人間文化・地域文化・歴史文化を研究していきます。それは,生きた文化や生きた社会を学ぶことであり,新たな文化や社会を創ることにもつながります。考古学を一緒に勉強してみませんか。

柴田 昌児准教授

しばた しょうじ / SHIBATA Shoji

専門分野:考古学

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教員からのメッセージ
 私は瀬戸内海の辺りで生まれ,海がある景観を見て育ちました。海産物料理などの「食」は言うに及ばず,潮の「香り」やさざ波の「調べ」など,私は匂いや音にまで海を感じて生きてきたのです。
 このように普段はとくに意識することは無いですが,私たちが育った海や川や山などの自然環境は,いつも身近にあり,知らず知らずのうちに生活の中に溶け込んでいるのです。
 これは,いにしへの人々の生活にも当てはまることではないでしょうか。
 考古学者である私にとって,遺跡や出土遺物は人間の様々な活動が残した痕跡であり,当時の社会や歴史を復元する重要な研究題材です。こうした遺跡や出土遺物を海や山からの視点で見つめ直すと,今まで明らかにすることができなかった新たな歴史を導き出すことができるかもしれません。
 多様な視点で物質文化をみることで,いにしえの人々の活動とその社会を復元することができるのが考古学の醍醐味なのです。かくいう私もこの醍醐味に魅せられた人間の一人。如何でしょう,学生のみなさんも味わってみませんか。

三吉 秀充講師

みよし ひでみつ / MIYOSHI Hidemitsu

専門分野:考古学

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教員からのメッセージ
 考古学は,古墳を発掘したり,土器や石器について研究する学問では・・・,というイメージをもっている人が多いのではないでしょうか?
 確かに,発掘調査や,土器や石器の大きさ・形態・材質・製作技法といった点について詳細に検討することから全ては始まるわけですが,それだけではありません。土器や石器は自然に存在する物ではなく,過去の人間と何らかの関わりのある物です。こういった性格をもつ土器や石器等を他の地域の物や前後の時期の物と比較検討することによって,過去の人間の文化を復元していく作業,これが考古学です。
 私の研究テーマは「日本列島における初期須恵器生産の開始と展開に関する研究」です。日本列島では,古来より朝鮮半島から数多くの文化や技術を受容してきました。その1つが,今から約1600年前に開始した須恵器生産です。日本列島において生産が開始した頃の須恵器を初期須恵器と呼びますが,この初期須恵器の生産には,朝鮮半島の陶質土器を製作していた工人が深く関与しています。また,工人の交流や移動だけではなく,その背景には文化レベルの大きな交流も行われていました。この交流の実態解明に向けて,伊予市市場南組窯跡の発掘調査・研究に取り組んでいます。

吉田 広准教授

よしだ ひろし / YOSHIDA Hiroshi

専門分野:考古学

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教員からのメッセージ
 私はいまミュージアムにいて、いろいろなものに囲まれています。ミュージアムの展示はもう見たでしょうか。きれいなもの、おもしろそうなもの、むずかしそうなもの。さっと駆け足で通り過ぎてしまうと、そんな感想が多いことでしょう。大学生活もそんな風に漠然と過ごしていませんか。でも、ミュージアムの展示に多くの研究成果が詰め込まれているのを見過ごしてしまっているように、大学での日常生活の中にも、少し見方を変えれば、思いがけず新しい発見があるはずです。様々にものごとを見る、実はこれが学ぶことの第一歩ですし、ミュージアムもそのように見てもらうための施設です。
 私が専門としている考古学は、遺跡・遺構・遺物といった、もの言わぬ「モノ」を相手にします。見えない・話してくれない「過去の」他人に、「モノ」を通して向き合うわけです。そのためには、現在においても、様々にものごとを見ていくことが必要です。そして、ものごとの背後に人の息づかいを感じなければなりません。だから何気ない日常にこそ、学びのヒントは隠されているのです。
 まずは好奇の眼差しをあらゆるものごとに、そして人に向けてみてください。とりわけ、ネットを介したデータだけで見ようとせず、生身のものごとにこそ、生身のあなたの目を向けてみて下さい。その先に、自ら進む道が見えてくるはずです。
 そうした道のりを経て、学びに向かってくれることを待っています。そして全力で手伝いましょう。

村上 恭通教授

むらかみ やすゆき / MURAKAMI Yasuyuki

専門分野:考古学

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教員からのメッセージ
 考古学は歴史を解明する学問ですが,遺跡やそこで発見されるさまざまな物質資料を研究の対象とするところに特徴があります。そのためには発掘を行い,出てきたものを記録します。また発見した物質資料を研究室で図に描いたり,拓本を採ったり,写真を撮ったりといろいろな技術を駆使して記録します。したがって,専門課程では野外において,また研究室において,多くの技術を身につけなければなりません。
 しかし,これらの技術を身につけたからといってそれで終わりではありません。むしろ,そこからがスタートです。みずから発見し,整理した資料をもとに仮説を立て,既存の学説や関連する分野の研究成果も取り込みながら,遺跡のある地域の歴史を構成していきます。そして教科書にも概説書にもない歴史を組み立てるのです。そこにおもしろさがあります。
 ただし,私たちが発掘する遺跡は研究対象として与えられるものではなく,私たち自身で探し求めるものです。遺跡が存在する地域に足を踏み入れ,山野を歩き,時には土地の人々に聞き取りも行います。発掘調査は必然的に地域とのつながりが前提となります。地域の歴史を研究することはその地域の現在を共有することでもあるのです。
 今,考古学研究室は県内では芸予諸島(上島町弓削)で発掘調査を実施しています。また「三国志」の蜀で著名な中国四川省や遊牧民族の故郷である南シベリアでの調査も実施しています。
 いずれの地域においても学生諸君とともに調査する遺跡を探し,発掘し,その地域の新しい歴史像を解明しつつあります。ローカル(ミクロ)な視点での研究もよし,グローバル(マクロ)な観点での研究もよし,双方あればなおのことよし。とにかく野外へ出て,いっしょに活動しましょう!

槙林 啓介准教授

まきばやし けいすけ / MAKIBAYASHI Keisuke

専門分野:考古学

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教員からのメッセージ
 なぜ,私たちは日本に住んでいるのでしょうか?日本の歴史,日本の文化,・・は,私たちとどんな関係があるのでしょうか?そして,そのことを考えたり,表現したりしたいとなぜ思っているのでしょうか?
 歴史学や考古学は,過去を復元し知ることだけで完結しているわけでありません。また,学問世界のみで評価されるものでもありません。私たちひとりひとりの世界や私たちが生きる社会で,どんな世界を築いていきたいのか,そのために必要な思考と活動です。
 ところで,その日本は東アジアの様々な国や地域の人々や社会と関わってきたことは言うまでもありません。しかし,例えば,中国のことをどれくらい知っているでしょうか?中国と一言で言っても,実際は多様な地域社会とその文化,そして歴史が存在しています。それだけでなく,日本との関わりにおいても,歴史的に中国-日本という一対一の関係ではありません。
 これからは,中国地域の多様で多元的な社会とその歴史を知ることが求められるのではないでしょうか。そして,様々な角度から東アジア世界を見ることができるようになることは,今後私たちが歩んでいくときにさらに必要になってくると思います。現在の見方を常に打ち破り更新していくために,自分の視野・視点をいつも広く持っておきたいものです。