基礎法

上山 友一准教授

うえやま ゆういち / UEYAMA Yuichi

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専門分野:法理学

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教員からのメッセージ
 例えば,一個しかないミカンを数人で「平等に」分けることを考えてみましょう。「そんなの簡単じゃないか。人数でミカンを分割すればいい。」とあっさり考えてしまうかもしれません。でも,これは,本当に平等なのでしょうか。勿論,「均等」であることは間違いないので,その意味では平等です。しかし,これは皆の幸せを生む平等なのでしょうか。
 法学の世界を知っていくうちに,こういう疑問を感じる人,また,こういう疑問をどう整理して考えていけばいいか学びたい人も出てくるでしょう。それに答える学問の一つが基礎法学分野のうちの法理学といわれる学問分野です。
 法理学などという抽象的なことを学んで役に立つの?と思う人もいるでしょう。実は私も半ばそうでした。短期的な目にみえる貢献をする能力はつかないかも,と思っていました。ところが,違いました。たまたま住居として分譲マンションを購入したことから,マンションの管理組合の活動に参加せざるをえなくなり,不安を持ちながら管理組合理事長になったことがあります。振り返って反省するに,いろいろ至らない理事長だったとは思うのですが,芸予地震で壊れたマンションの修繕にも対応できましたし,管理規約の改正もしましたし,マンションが抱えていた問題の幾つかも処理できました。「平等」とはなにか,「公平」とはなにか,「正しい」とはなにか,学問上のことでしかないにせよ,悩む体験をしていたことで,課題を処理していくプロセスでどういう配慮をしないといけないのか,なんとかそれなりに上手く把握できたのは,法理学のおかげだと思っています。