村上 恭通教授
むらかみ やすゆき / MURAKAMI Yasuyuki
埋蔵文化財調査室・ミュージアム・東アジア古代鉄文化研究センター
専門分野:考古学
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教員からのメッセージ
考古学は歴史を解明する学問ですが,遺跡やそこで発見されるさまざまな物質資料を研究の対象とするところに特徴があります。そのためには発掘を行い,出てきたものを記録します。また発見した物質資料を研究室で図に描いたり,拓本を採ったり,写真を撮ったりといろいろな技術を駆使して記録します。したがって,専門課程では野外において,また研究室において,多くの技術を身につけなければなりません。
しかし,これらの技術を身につけたからといってそれで終わりではありません。むしろ,そこからがスタートです。みずから発見し,整理した資料をもとに仮説を立て,既存の学説や関連する分野の研究成果も取り込みながら,遺跡のある地域の歴史を構成していきます。そして教科書にも概説書にもない歴史を組み立てるのです。そこにおもしろさがあります。
ただし,私たちが発掘する遺跡は研究対象として与えられるものではなく,私たち自身で探し求めるものです。遺跡が存在する地域に足を踏み入れ,山野を歩き,時には土地の人々に聞き取りも行います。発掘調査は必然的に地域とのつながりが前提となります。地域の歴史を研究することはその地域の現在を共有することでもあるのです。
今,考古学研究室は県内では芸予諸島(上島町弓削)で発掘調査を実施しています。また「三国志」の蜀で著名な中国四川省や遊牧民族の故郷である南シベリアでの調査も実施しています。
いずれの地域においても学生諸君とともに調査する遺跡を探し,発掘し,その地域の新しい歴史像を解明しつつあります。ローカル(ミクロ)な視点での研究もよし,グローバル(マクロ)な観点での研究もよし,双方あればなおのことよし。とにかく野外へ出て,いっしょに活動しましょう!