観光学

佐藤 亮子准教授

さとう りょうこ / SATO Ryoko

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専門分野:観光まちづくり論

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教員からのメッセージ
 日本を訪れる外国人旅客が急増しています。政府が立てた2020年に2000万人という目標は,近々に達成されるでしょう。世界に目を移すと,年間12億人近い人が海外旅行をしています(国連世界観光機関)。世界の人口が73億人ですから,地球上の16%もの人が国境を越えて旅をしているということになります。まさに人類大移動時代です。
 では,そうした人たちが何を見たいかといえば,その国ならではの文化や自然ということになりますが,実は外からきた人たちは,そうしたものを守りつなげている人の暮らを見ているのです。なかでも近年の傾向としては名所旧跡周辺だけでなく,地方の何気ない光景や暮らし,手仕事や食などを体験したいという人が増えている。つまり,グローバルに移動しつつ,ローカルな価値に目が向いているということ。逆に言えば,地域という空間に人々の営みが時間を経て蓄積してきたものの意味を正当に解釈し発信する,すなわちローカルな価値の普遍性をグローバルに問いかけていくことが重要になります。グローバル・スタディーズ履修コースに「観光」を位置づけている所以です。
 まちづくりについても同様です。ローカルな活動はグローバルに共鳴しあっています。「まちづくり」という概念は,アメリカでも「machidukuri」で通用する,あるいは「社区創造」(台湾)や「マウル・カクギ(マンデルギ)」(韓国)といった言葉の元になるなど,グローバルに普遍性を持ち始めています。逆に住民参加(参画)の手法として広まっている「ワークショップ」「ファシリテート」などは海外から入ってきたものですが,ずいぶん日本でも定着してきました。またCSA(CommunitySupportedAgriculture)のように,日本に習って海外で広がった活動が,逆輸入されている例もあります。国境を越えてローカルに学び合い,それぞれのまちづくりに活かしているのです。
 「観光」「まちづくり」はグローバルとローカルを相互に結んでいます。ゼミでも,国内・海外のフィールドをめぐりながら,地域に根ざした観光やまちづくりについて学んでいきます。ローカルでグローバルな地域のダイナミクスを経験することは,社会人への大きな礎になることでしょう。ぜひ一緒に勉強してみませんか。

米田 誠司准教授

よねだ せいじ / YONEDA Seiji

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専門分野:観光産業論

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教員からのメッセージ
 石川栄耀という人をご存知でしょうか。日本の都市計画の泰斗であり,東京の戦災復興計画を立案し,東京都庁でその戦災復興事業を手掛け,晩年は早稲田大学で都市計画の教鞭をとった人物です。私はこの石川先生に憧れて大学の門を叩き,東京都庁で多摩ニュータウン計画の最後の見直しなど,大規模なまちづくりの仕事に9年間携わってきました。その私がなぜ愛媛大学でみなさんと一緒に活動しているのかはまさにご縁なのですが,そのきっかけは全国公募で人口約1万人の小さなまち由布院に家族で移り,観光まちづくりに12年間携わったことにあります。住みやすいまちをつくることが観光につながるという観光まちづくりは,思想でありまた同時に具体的なムーブメントであるわけですが,その中からさまざまに湧出した問いを大学院で取りまとめて,こうして研究と教育に携わることとなりました。この観光まちづくりは,国の政策では観光地域づくりという言葉に集約されつつありますが,これからの時代に地域を閉じたものと考えずに,地域の課題を地域外の人の知恵や力も借りながら,また同時に地域の価値を世界に伝えつつ解決していく,そうしたことに大きな可能性を感じています。そこで私自身の研究は,観光まちづくりの意味そのものや,滞在型観光と移住政策の接合から地域経営をみていくことなどをテーマにしています。ゼミ活動では,由布院という地域を定点観測しつつ,学年ごとのテーマに沿って全国の地域を訪ね,さまざまな人に出会いながら調査を続けていきます。それぞれの卒論のテーマも,地域に関わることであれば原則として自由に設定できるようにしています。憧れの石川先生を大きな目標にしつつ,これからのまちづくりについてみなさんや地域の方々と一緒に考え,悩み,そして行動していきたいと思っています。