三吉 秀充准教授

みよし ひでみつ / MIYOSHI Hidemitsu

専門分野:考古学
教員からのメッセージ
 考古学は,古墳を発掘したり,土器や石器について研究する学問では・・・,というイメージをもっている人が多いのではないでしょうか?
 確かに,発掘調査や,土器や石器の大きさ・形態・材質・製作技法といった点について詳細に検討することから全ては始まるわけですが,それだけではありません。土器や石器は自然に存在する物ではなく,過去の人間と何らかの関わりのある物です。こういった性格をもつ土器や石器等を他の地域の物や前後の時期の物と比較検討することによって,過去の人間の文化を復元していく作業,これが考古学です。
 私の研究テーマは「日本列島における初期須恵器生産の開始と展開に関する研究」です。日本列島では,古来より朝鮮半島から数多くの文化や技術を受容してきました。その1つが,今から約1600年前に開始した須恵器生産です。日本列島において生産が開始した頃の須恵器を初期須恵器と呼びますが,この初期須恵器の生産には,朝鮮半島の陶質土器を製作していた工人が深く関与しています。また,工人の交流や移動だけではなく,その背景には文化レベルの大きな交流も行われていました。この交流の実態解明に向けて,伊予市市場南組窯跡の発掘調査・研究に取り組んでいます。