寺尾 勝行准教授

てらお かつゆき / TERAO Katsuyuki

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専門分野:英米文学
教員からのメッセージ
 インターネットが空気のように当たり前のものとなり,iPodなどの携帯プレーヤーによってそのネット上の音声・画像ファイルをハンカチかチリガミのように気軽に持ち運べるようになった現在,生の英語に接する機会や,接することのできる素材の種類は二昔とは(と言わず,一昔と比べてさえ)比較にならないくらい充実・拡大しています。外国語(英語)習得のためにこれを利用しない手はありません。
 ただし単なる会話の偏重では思わぬ落とし穴が待っています。おしゃべりは楽しそうにかわしていたのに,中身のある話となると全く通じていなかった,では困ります。大学生ならぜひとも,読み・書く力を,聞き・話す力と並行させて身につけ,より深い部分での価値観や感動の共有なり,意見の交換を行いたいものです。
 そのために文学作品を通して英語を学ぶ,あるいは英語という言葉を通して文学にアプローチするということを勧めたいと思います。文学作品の英語の特徴の一つは何と言ってもその種類の豊かさです。取り扱われる話題(テーマ)が哲学,政治,経済,歴史から日常生活の機微,さらには推理小説,SF,ファンタジーに到るまで多様であり,またスタイル(文体)もそれに応じて思索的なもの,(いわゆる)論理的なもの,事務的なもの,エッセイ的なもの,情感豊かなもの・・・等々バラエティに富んでいます。あなたはそれらの英語に触れることを通して,単にビジネス英語やニュース英語を通してのみ得られるものよりはるかに広く,多様な世界のあり方(そして世界の感じとり方)を実感することができるでしょう。そしてよりありがたいことに,そのような体験を重ねていく中で,言葉そのものに対する感覚が磨かれてゆくことでしょう。
 多くの人が言葉を鍛え,言葉を通して思索を深め,また,他者との実り豊かなつながりを築く能力を自らの中に育て上げることを願って止みません。