教員からのメッセージ
私は、政治過程論および比較政治学を専門としています。政治過程論や比較政治学で扱う領域は多岐に渡ります。政治過程論では、政党、選挙、立法過程などの制度的側面から、投票行動やメディアと政治の関係性など有権者側の側面まで、広く研究対象となります。比較政治学では、民主化、政治体制、紛争、議会制度や選挙制度まで、研究対象は様々です。これらの領域の中で、私は、政党や選挙といった「政治制度」に焦点を当て研究をしています。主に、現代日本政治を分析することで、政治制度がどのように政党システム、有権者や利益団体の投票行動、そして、利益分配に影響を与えているのかを明らかにすることを目的としています。現代日本政治の研究を通し、他国の政治現象も説明できる一般可能な理論の構築を目指しています。私が担当する授業では、主に現代日本政治の分析を通して、民主主義国家における政治制度と政治過程について学びます。日本政治を中心に学習しますが、他国の政治を学ぶときに役に立つ概念や制度に関して基礎力をつけることも目指しています。「政治」という言葉を聞くと、敷居が高く感じてしまう人や難しそうだと感じる人もいるかもしれませんが、実は決してそうではありません。私たちの生活は様々な制度に支えられており、政治と密接に関連しています。例えば、選挙で投票することで、私たちは、意見を代表してくれる政治家を選んでいます。そして、私たちの代表としての政治家が政党をつくり、また、政策立案に携わっています。授業を通して、政治学が私たちの生活に身近な学問であることを伝えていきたいと思っています。
政治学の学習で重要なことは、多角的にかつ柔軟に物事を見ること、論理的に考えること、そして、自由に発想し、新しいことに臆することなくチャレンジすることです。政治学の研究においては、正しい答えはありません。また、アプローチの仕方や研究方法にも正解はありません。多角的かつ柔軟に現代社会を見ることからスタートし、自由にかつ論理的に考えながら、試行錯誤しながら挑戦していくことが大切です。これらの能力は、大学での政治学の研究に留まらず、大学卒業後、社会人として生活していく上でも役に立つものです。大学生活を通じて、学生の皆さんがこれらの能力を身に着けられるように、皆さんと一緒に、時には悩み、考えながら、共に学びを進めていきたいと思います。