木下 英文教授

きのした ひでふみ / KINOSHITA Hidefumi

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専門分野:応用英語学
教員からのメッセージ
 「英語コミュニケーション論」という名称からみなさんはどのような研究分野を想像するでしょうか。「コミュニケーション」という言葉自体,様々な分野で用いられていますので,甚だ漠然としたイメージしか持てないかも知れません。簡単に説明しておきましょう。
 私たちは言葉を交わす際,その伝達過程を意識することは日常生活上ほとんどありません。みなさんは,相手が自分の言葉をどのようにして理解するのかを疑問に思ったことはありませんか。英語コミュニケーション論の仕事の一つは,英語が伝達行為の中で見せる様々な「仕草」に規則立った説明を与えることです。たとえば,"Do you know where the steak is?"というYes/Noを求める疑問文に対して,一見すると意味的に全く関連性の無いように思われる"Your dog looked happy"という返事が自然に感じられるのはなぜでしょう。また,"Could you open the door?"よりも"I wonder if you could open the door"の方が丁寧なのはどうしてなのか。他にも,場面の性格や話題・目的などによって英語の表現形態は影響されます。このような伝達行為のストラテジーに光を当ててみると意外な発見があるものです。一方,英語の姿から伝達行為の背景にある社会的要因に目を向けることも可能です。英語にも男言葉や女言葉がありますし,社会階層や民族などの要素が言語の中に反映される例も数多くあります。このように生きた言語としての英語は実に様々な表情を見せてくれます。そこにはまさに現実社会が反映されているのです。私の授業では,以上のような点についてみなさんと一緒に考えてみようと思っています。