教員からのメッセージ
本学の文系では法文学部でのみ取得が可能な国家資格「学芸員資格」の養成コースを担当しています。「学芸員」とは,国の法律で定められた博物館等で働く専門職員のことです。私のゼミでは各種博物館の収蔵庫に未評価のまま眠る,貴重な出土文化財(=考古系資料)を,「博物館学」や「文化資源学」の立場から再評価していくことが,専攻生の皆さんたちの最初の課題となります。同じ考古学分野でも私のゼミでは「博物館学」がベースですので,遺跡の「発掘実習」は現在行っておりません(=「考古学Ⅱ」)。具体的には博物館概論,博物館資料論,博物館教育論,博物館実習Ⅰ・Ⅱならびに考古学Ⅱの関連科目等,実践的な諸科目を通じて,文化財資料の取り扱い方や各種計測法,フィールド調査の方法,展示,普及教育,研究成果の公開法,関連行政や地域市民との関わり方など,様々な知識や専門技術,理論の修得と実践力の蓄積を目指します。そして,学部生段階での国家資格「学芸員資格」免許の取得を目指します。将来的には各種学芸員や文化財専門職員,教職員等として,各地の博物館園や教育委員会,埋蔵文化財センターなど,様々な専門研究機関や教育機関などへの道が期待できます。
人口減少時代へと向かいつつある日本国ではいま、魅力ある地域の文化観光資源を再発掘し,地域に還元,貢献できるだけの高い専門性を備えた人文系分野の人材,つまりは「学芸員」が今も大きく不足しています。考古学Ⅱゼミに興味を抱いた学生さんは,ぜひ一度,法文本館4階の研究室を訪ねてみてくださいね。

