林 孝洋講師

はやし たかひろ / HAYASHI Takahiro

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専門分野:西洋史
教員からのメッセージ
 初めまして、近現代イタリアの歴史を専門にしています林孝洋です。突然ですが、私は学問には二つのアプローチがあると思っています。一つは講義を受けたり、本を読んだりすることで学識を深めるアプローチです。これは体系的な知識を獲得するために必要だと思います。しかし、学問は机の上だけで完結するものでもありません。もう一つのアプローチは、経験すること、つまり実際に自分のテーマに関する地域に足を運び、その地の人と話し、文化を感じながら学ぶことです。経験を得るには、行動力と時間が必要です。行動力の方は気持ち次第のところがありますが、時間は有限ですし、比較的自由に使えるまとまった時間を確保できるという点では、大学時代はとても恵まれた時期でしょう。本や講義、ゼミで得た学識を引っさげて、自分の知りたい世界に一歩踏み出すことをお勧めします。
 私は初めてイタリアの地に足を踏み入れた時に、日本とは全く違う気候・文化・言語の体験が、本で得た学識を明確にし、時には覆した感動を今でも覚えています。「百聞は一見に如かず」という諺はあながち間違いではないなぁと感動しました。皆さんもそれぞれ「面白い!」と思えるテーマを見つけ、それについて学び、経験してみてください。人文学は人間を学ぶ学問ですから、そこで得た知識(=学識+経験)はあなたという人間を間違いなく豊かにしていきます。そして豊かに成長した個性的な人間が作る社会は、素晴らしいものになるでしょう。
 最後に少しだけ私の研究についてお話しします。私はイタリアのリソルジメントと呼ばれる時期/運動について研究しています。フランス革命の影響を強く受けた19世紀のイタリア半島では、政治・文化・経済をめぐる様々な思想や運動が花開きます。この時代について、人の移動という視点から勉強しているのですが、限られた紙幅では、皆さんにすべて伝えることができません。続きは講義でお話ししたいと思います。気になる人はぜひ受講してみてください。一緒にイタリア史だけではなく西洋史について学びましょう。