秋山 英治教授

あきやま えいじ / AKIYAMA Eiji

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専門分野:日本語学
教員からのメッセージ
 みなさんは,次の文章を読んでどのような植物名(花の名)を思い浮かべるでしょうか。

観賞用に改良された園芸品種で,枝にとげがあります。誕生日などの花束によく使われています。花の色は赤・ピンクが多く,黄色もあります。最近では,青色の花も作られて話題になりました。

答えは簡単です。「バラ」です。ここであれっと思った人がいるはずです。それは,カタカナの「バラ」ではなく,ひらがなの「ばら」や漢字の「薔薇」,さらにはローマ字の「BARA」を思い浮かべた人ではないでしょうか。実は,これら4種類の表記は,どの表記を使っても問題はありません(植物学的な名称などの場合は別ですが)。しかし,同じ植物を表すのに,何種類もあって,どれを使っても良いというのは,不思議なことです。
 それでは,次の一文で示されているものは何でしょうか。

転んで足や手など傷を負った際,けがの応急処置として傷口に貼るものです。

カットバン? バンドエイド? サビオ? リバテープ?……。実は,これらすべての語は商品名に由来する語です。しかも,どの語を使用するか,地域によって違いがあります。しかし,なぜある会社の商品名が各地に広がっていったのでしょうか。
 このように,普段当たり前のように使っている日本語には,まだまだよく分かっていない謎がたくさんあります。自分の使っている日本語にあれっと思った人,いっしょに日本語の謎解きに挑戦してみませんか。